ドイツ・フォルクスワーゲン(Volkswagen)は2019年4月23日、ブロックチェーン技術を使って鉛材料の原産地証明を行うパイロットプロジェクトを開始すると発表した。ブロックチェーン技術により、デジタル証明書で材料の加工業者から原産地まで、さかのぼって確認できる。これによりサプライチェーンの透明性やセキュリティーを高められるとしている。ブロックチェーン技術を使った原材料の追跡システムはドイツMinespiderが提供する。

 VWは、自動車メーカーとしての社会的責任は工場から始まるのではなく、原材料調達までさかのぼると考えている。そのために、社会的にも環境的にも健全な方法で産出された工業用原料を使用することを目標として掲げている。サプライチェーンの原料由来をトレースすることで、環境汚染や強制労働、不正取引などの反社会的行為を伴って産出された原料でないことを証明できる。また、製品の不具合原因の排除やサプライチェーンの最適化にも役立つ。

(出所:Volkswagen)
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 Minespiderが開発したソリューションは、パブリック・ブロックチェーン上に構築されている。プライベート・ブロックチェーンではない利点の一つが、誰でも使えることだ。採掘業者からTier1、Tier2、リサイクル業者まで複数のサプライチェーンが関与していても、同じシステムで機能する。オープンソースのアプローチだが、多層構造により機密性の高いサプライチェーン情報の共有が保証される。第1層には誰でもアクセス可能な情報が含まれ、第2層には変更できないプライベートなデータブロックが含まれる。第3層は暗号化層である。

 今回の鉛原料に関するパイロットプロジェクトは、将来、より広範な原料に適用するためのフレームワークになる。プロジェクトの完了後、VWは他の原料にもこの技術を広めていくことを計画している。