経済産業省や公正取引委員会、総務省合同の有識者会合「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」は2019年4月24日、2つのワーキンググループが検討した透明性確保やデータ移転・開放のルールについて選択肢を公表した。

「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」が開催された経済産業省別館
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 このうち「透明性や公正性の確保に向けたルール整備」を検討したワーキンググループは、多数の小規模事業者がオンラインショッピング・モールやアプリストアなどのプラットフォームを利用していて独占禁止法違反となる取引慣行の未然防止や事前規制が望ましいものが含まれるとした。そのうえで「独占禁止法を補完する規律」として下請法などの法規制や共同規制などのフレームワークを挙げて、今後の検討課題とした。

 「データ移転・開放の在り方」を検討したワーキンググループは、プラットフォームにデータが集積することについて、社会全体で見た場合にはデータの囲い込みによって競争が制限される恐れやデータの価値が最大限に生かされない可能性、利用者の選択の機会が確保されない恐れが生じつつあるとした。

 そのうえでデータの移転や開放の方法として、安全性や操作性を確保してデータの開示(ダウンロード)やデータの直接移転、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の開放によるデータへのアクセス、データの利用停止といった仕組みを挙げた。さらにプラットフォーマーに対するルールの運用状況を把握するため、専門的な観点から継続的にモニタリングを行う体制整備が必要だとした。

 また公取委は「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行に関する実態調査(中間報告)」で分かったプラットフォームを利用する事業者の不満の声などに触れたうえで、企業の合併審査ガイドラインの改正を検討中と説明した。

 検討会の質疑では出席者から企業間の「競争の促進」と「消費者、個人データの保護」の2つの観点を整理する必要があるといった指摘が出た。政府は2019年3月に内閣官房に「デジタル市場競争評価体制準備室」を設置し、デジタル分野の競争政策を議論する専門組織の在り方を検討するとしている。今後のプラットフォーム規制の検討は準備室にゆだねられる。