韓国・現代自動車(Hyundai Motor)は2019年4月12日、韓国電力公社の発電子会社である韓国東西発電(EWP)および総合ガスメーカーの徳陽(Deokyang)と、水素燃料電池による発電所を新設する覚書を締結した。

 覚書によって実施するパイロットプロジェクトでは、出力1MWの水素燃料電池発電所を蔚山に建設する。Hyundaiが燃料電池システムを提供し、Deokyangが水素を供給、EWPが施設の運営と電力の販売を担う。

(写真:Hyundai Motor)
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 1MWの発電所は500kWのコンテナ型発電モジュール2基で構成する。2019年後半に着工する予定。発電モジュールは、Hyundaiの燃料電池車「NEXO」に使われる発電機を複数搭載するもの。燃料電池発電ではこれまで海外の技術を使用してきたが、今回、Hyundaiが燃料電池システムを提供することで初めて国内技術を使うことになった。

 発電所の年間発電量は8000MWh。発電所からは温室効果ガスや汚染物質の排出がなく、1カ月に約300kWhを消費する平均的な家庭の2200世帯分に当たる電力を発電できる。使用される水素は、近隣にあるDeokyangの石油化学複合施設から生じる副産物を精製したもの。地域のエネルギー源を利用することでコストを低減する。

 Hyundaiにとってパイロットプロジェクトは、自動車産業を超えて燃料電池技術の規模の経済を達成できる機会となる。その結果としてコスト競争力、雇用創出、関連産業の成長を見込んでいる。EWPはエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を拡大でき、Deokyangは水素の取引量増加、需給の安定管理によって水素価格の引き下げを狙う。