CRM(顧客関係管理)クラウドサービス最大手の米セールスフォース・ドットコムは2019年4月11日、日本での事業に対する投資を拡大すると発表した。日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援の強化を通じて事業拡大を図る。

 同社は2000年に日本での事業を始めた。現在の日本法人の社員数は約1500人。2024年までに最大で2000人を増員し、3500人規模にする。営業やアライアンス、カスタマーサポートなどの分野が対象だ。

日本事業強化への意気込みを語るマーク・ベニオフ会長兼共同CEO
(写真提供:セールスフォース・ドットコム)
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 事業拡大に伴い、東京・丸の内にある22階建ての「日本生命丸の内ガーデンタワー」の全てのオフィスゾーンを借り切り、世界で8番目、アジアで初めての「セールスフォース・タワー」を2021年に開設する。

 「日本企業のDXに関する潜在市場は大きい。DX支援を強化することで、日本でナンバーワンのIT企業になりたい」と、同社のマーク・ベニオフ会長兼共同CEO(最高経営責任者)は意気込む。同社のシステムの導入企業は日本郵政グループやキヤノンマーケティングジャパン、NTTコミュニケーションズ、明治安田生命保険といった大手だけではなく中小にも多い。「セールスフォースにとってアジアのなかで日本の売り上げは最大だが、日本市場はまだ成長する」(ベニオフ会長)。高齢化など様々な社会課題をデジタル技術で解決する「ソサエティー5.0」にも商機を見いだしている。

 日本事業強化の一環として、2018年12月に日本法人のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を通じて、日本のスタートアップ支援に100億円を投じることを発表した。2011年に日本での投資を開始し、クラウド会計ソフトのfreee(東京・品川)やクラウド名刺管理のSansan(東京・渋谷)など40社以上に投資してきた。100億円の投資規模は今までの投資額を大きく上回る。同社のプラットフォームを活用するスタートアップに投資する方針だ。

 同日のセールスフォース創業20周年イベントに登壇した平井卓也IT・科学技術担当相は「我々はセールスフォースをもはや外国企業だとは思っていない。日本でともに仕事をする仲間の会社だ。日本のいろいろな問題を前向きに楽しく解決しよう」と述べた。