電子処方箋の本格運用に向けた実証事業、医療情報標準規格を活用

メドレーが厚生労働省から受託して実施

2019/04/04 12:00
近藤 寿成=スプール

 厚生労働省の「電子処方箋の本格運用に向けた実証事業」が2019年3月29日に完了した。電子処方箋の普及の支障となる要因を解消するための、新たな電子処方箋システムを構築して実証した。

 実証事業では、次世代の医療情報標準規格「FHIR(HL7 Fast Healthcare Interoperability Resources)」を活用した電子処方箋管理システムを開発した。東京都港区医師会・薬剤師会の協力のもと、2医療機関と6薬局と連携し、実際の患者を対象とした実証を2019年2月4日~2019年3月17日の6週間にわたって実施した。現行の処方箋(紙媒体)の運用に加えた模擬的運用の位置付けとしたうえで、電子処方箋による調剤完了例は64例だった。

 電子処方箋は、従来の紙に印刷された処方箋ではなく、医療機関と調剤薬局が電子データを用いて処方内容をやりとりする仕組みである。単純なペーパーレス化だけでなく、患者個人の服薬履歴を電子的に管理して、重複投薬の適正化をはかる目的もある。しかし、現行のガイドラインに定められた運用フローが、電子処方箋の普及を阻害する要因の1つと考えられることから、現行のガイドラインに縛られず、円滑な運用ができる仕組みを検討するために、実際の医療機関と調剤薬局を使用したフィールド実験を実施した。

実証事業で開発した評価システムの概要(出所:平成30年度電子処方箋の本格運用に向けた実証事業最終報告書)
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 実証事業で開発した評価システムは、(1)システムからの処理要求を受けて処方データと調剤データの返答、作成、編集、削除を行う「処方箋管理システム」、(2)処方データを処方箋管理システムに登録して処方箋アクセスコードを患者に共有する「医療機関システム」、(3)患者の本人確認を行って処方箋アクセスコードを受け取り、処方箋管理システムにアクセスして処方データを参照する「薬局システム」、(4)患者がオンライン診療やお薬手帳の機能を利用するための「PHRアプリ」の4つで構成した。

 今回の実証事業はメドレーが2018年12月に厚生労働省から受託して実施したもの。医療機関システムは、メドレーのクラウド電子カルテ「CLINICSカルテ」を利用した。処方箋管理システムはFHIRインターフェースを基盤として構築したが、これは現行のガイドラインには記載されていない新たな試みとなった。実証事業の最終成果報告書は、厚生労働省のサイトに公開されている。

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