京都大学と三菱電機は2019年4月、京都大学大学院工学研究科に産学共同講座「進化型機械システム技術産学共同講座(三菱電機)」を開設する(ニュースリリース)。両者の連携により、学際的な知見を活用してさまざまな社会の課題を解決する「進化していく機械システム」の研究開発に取り組む。共同研究を通じて、博士後期課程を中心とした京都大学の学生や三菱電機の研究者を対象に、イノベーションを担う人材を育てる。

 新講座は研究テーマとして[1]人と垣根のない機械システム、[2]先進機械デバイス研究と応用の2つを掲げる。[1]では、人を的確にサポートする機械システムを実現するために、機械工学の研究者に加えて医学や心理学などの研究者とも連携する。[2]では、ナノテクノロジーなどの物理現象に基づく基礎研究を元に、応用の可能性を探る。先端研究を融合することで「桁違いの物理特性」を実現する機械デバイスを開発し、実用化につなげる。

 講座の開設に当たって三菱電機は、特定教員として先端技術総合研究所(兵庫県尼崎市)から2人を派遣し、共同研究を推進する。京都大学が持つさまざまな学際的分野の技術と、三菱電機の幅広い産業分野の技術を融合させる。

 シーズとしての基礎研究を実用化するためにニーズを開拓すると同時に、ニーズから新たな基礎研究のテーマを発掘し、シーズとニーズの双方向から継続的に議論を重ねる。これにより、社会的な課題に対してイノベーティブな研究テーマを設定し、社会実装を加速させるという。

 京都大学と三菱電機によると近年、サイバーフィジカルシステムの実現に向けた研究開発の加速が目覚ましいという。サイバーフィジカルシステムとは、現実社会とサイバー空間を一体化させ、より高度な社会の実現を目指すサービスやシステムを指す。

 サイバーフィジカルシステムによって高度化・複雑化する実社会の課題を本質的に解決するには、サイバー空間の高度化と並行して、現実空間を対象とした物理・物性・制御・最適化などの技術革新が不可欠だ。その実現には、基礎研究の段階から、大学が持つ技術シーズと産業界が認識するニーズを組み合わせることが重要とみる。

 両者は、2005年から機械分野での共同研究に取り組んでいる。新講座の活用によって共同で研究テーマを探索し、異なる立場の知を融合できる研究体制を構築。共同研究を深化させる。