米アマゾンウェブサービス(Amazon Web Services、AWS)の日本法人アマゾン ウェブ サービス ジャパンは2019年3月20日、公共分野向けの取り組みを公表した。同社は2017年に公共分野担当部門を立ち上げ、「ようやく体制が整った」(アマゾン ウェブ サービス ジャパンの宇佐見潮パブリックセクター統括本部長)ところだという。

公共機関向けの取り組みを説明するアマゾン ウェブ サービス ジャパンの宇佐見潮パブリックセクター統括本部長
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 公共分野でAWSを利用することには、経済性や安全性などのメリットがあるという。初期費用がかからず従量課金で利用でき、しかも最新の技術を利用できる。海外では安全性にも高い評価を得ているという。公共機関のインフラをAWSが担当することで職員が本業に専念できるため、公共機関のサービス向上も期待できるとする。

 具体的な分野には「中央省庁」「地方自治体」「教育・研究機関、教育事業」「ヘルスケア」などがある。

 日本の中央省庁では、多くのシステムにクラウドが使われることが期待できるという。内閣官房IT総合戦略室が2018年に公開した「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」では「政府のシステムの刷新はクラウドを第1選択とする」とされているためだ。従来はWebのポータルサイトなどでの利用が多かったが、「今後は基幹システムに使われると考えている」(宇佐見統括本部長)。

 地方自治体では、「スマートシティの都市OS」としてAWSが使われることを期待している。行政機関だけでなくNPOなども含め、都市運営の効率化を目指すものだ。中央省庁と同じく、基幹システムなどへの導入を期待する。

 研究機関向けとしては、今後はスーパーコンピューターの代替も見込んでいる。例えば中央大学は、津波の被災調査やシミュレーション、街づくりの研究といった従来はスーパーコンピューターが使われていた分野でAWSを利用しているという。

 教育産業の分野では、Eラーニングに人工知能(AI)を組み合わせるアダプティブラーニングで利用されることを想定している。ヘルスケア分野でも、画像診断をAIでサポートするといった分野での利用を見込む。

 宇佐見統括本部長は、「日本の公共機関は横並びの意識が強い。クラウドの普及が進むときは一気に進むと思っている」と期待を語った。