アビームコンサルティングは2019年3月14日、定型業務を自動化する「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の動向に関する説明会を開催した。同社の安部慶喜戦略ビジネスユニット執行役員プリンシパルは「業務プロセス自体を変えない現場型のRPA導入は非効率」とクギを刺す。

アビームコンサルティングの安部慶喜戦略ビジネスユニット執行役員プリンシパル
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 説明会ではまず、2018年10月29日から11月13日にかけてRPAの情報サイト「RPA BANK」を通じて実施した「RPA利用実態調査」の結果を公表した。RPAツールと利害関係のある企業を除いた回答社数は772で、従業員数1000人以上の大企業で85%がRPAツールを試験または本格導入しているという。

 利用中の企業にRPAを推進する部署を尋ねた設問では、試験導入中はIT部門や事業部門が72%、経営企画とRPA推進専門組織が28%なのに対し、本格展開完了時は前者が41%、後者が59%と比率が逆転する結果となった。

RPAの成功事例を踏まえた経営層主導のデジタル改革推進組織像
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 安部氏はIT部門や事業部門などによる現場中心のボトムアップ型導入を「現場型RPA改善」、経営企画やRPA推進専門組織によるトップダウン型導入を「直下型RPA改革」と定義。「現場は人が効率よくこなしている、RPAに向いている業務プロセスをRPA化の対象とせず、心理的負荷の高い複雑な業務プロセスをRPA化しようとする。経営層主導で、業務プロセスを変えられる部長クラスが現場を主導するのがスケールするRPA導入」と分析してみせた。

 安部氏はこうしたデジタル推進組織について「今後3年で大企業の半数以上が設けるのではないか」との見通しを示した。

 直下型RPA改革は、セキュリティーや運用管理の面でも効率的という。現場主導の場合は「ソフトロボットに権限を持たせすぎる」(安部氏)とし、RPAが権限管理のセキュリティーホールになる危険性を指摘した。

 ソフトロボットの動作を記録するログについては「製品によっては動作の過程を含む詳細なログを取得できない」(同氏)という。安部氏はこれらの要件を満たすRPAツールとして「BizRobo!」「UiPath」「Blue Prism」の3製品を挙げた。