川崎重工業は、韓国の全州製紙に発電用ボイラーを納入した(図1、ニュースリリース)。廃プラスチックや木質チップなどを燃料とする内部循環流動床式のボイラー(Internal Circulation Fluidized Bed Boiler:ICFB)で、131t/hの高温・高圧蒸気を供給する。川崎重工は同ボイラーを、同国のエンジニアリング会社である三千里ESから受注。三千里ESによる工事と試運転が完了し、同ボイラーは運転を開始した。

図1:全州製紙に納入した内部循環流動床式ボイラー(ICFB)
(出所:川崎重工業)

 ICFBは流動床部が燃焼セルと収熱セルに別れた構造で、流動空気の速度差を利用して流動媒体を燃焼セルから収熱セルへ循環させる(図2)。燃焼ガスと流動媒体の流れが分かれるので、ボイラー内の伝熱管を腐食させる恐れのある塩素分や、カリウム・ナトリウムなどのアルカリ成分を含む燃料を安定的かつ連続的に燃焼させられるという。

図2:ICFBの構造
(出所:川崎重工業)
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 このため、塩素分を多く含む廃棄物固形燃料やアルカリ成分を多く含むバイオマス燃料も使用できる。具体的には、産業系廃棄物のうちマテリアルリサイクルが困難な古紙と廃プラスチック類を主原料とする固形燃料(Refuse Paper & Plastic Fuel:RPF)の他、パームヤシ果実の殻部分を原料とする燃料(Palm Kernel Shell:PKS)、可燃性の一般廃棄物を主原料とする固形燃料(Refuse Derived Fuel:RDF)、バイオマス燃料のゴムの木や廃木材、木質チップなどを扱える。

 全州製紙は、製紙工場内の発電設備更新の一環としてICFBを採用した。ICFBから供給された蒸気と蒸気タービンで発電された電気は工場設備の操業に使い、余剰電力については電力事業者に売る。

 川崎重工は2015年にも、三千里ESから全州製紙向けICFBを受注している(関連記事)。今回の引き渡しにより、川崎重工の韓国へのICFB納入実績は3件となった。同社によると、世界的なエネルギー需要の増加に伴い、廃棄物のサーマルリサイクルやバイオマス燃料の利用拡大が見込まれており、ICFBの需要も高まっているという。こうした市場環境を弾みに、同社はICBFをはじめとしたエネルギー関連事業を推進する。