日立製作所は2019年3月13日、IoT(インターネット・オブ・シングズ)機器の効率的な運用を支援する新製品「JP1 for IoT」を3月15日に発売すると発表した。機器の稼働状況やセキュリティー対策状況を一元的に管理する機能などを搭載。工場や施設でIoTを活用したい企業や自治体の需要を狙う。同社の統合システム運用管理製品「JP1」で培ったデータ収集や可視化の技術・ノウハウを生かすものの、従来のJP1とは異なる新製品という位置付けだ。

 JP1 for IoTは複数のサービスや製品から成る。IoT機器の統合管理を担うサービス「JP1 for IoT - デバイス管理」と、対象システム内の機器に対するUSBデバイスやパソコンの不正な接続を監視するアプライアンス製品「JP1 for IoT - NX UsbMonitor」および「JP1 for IoT - NX NetMonitor」を併せて発表した。

 JP1 for IoT - デバイス管理を使うと、対象のシステム内におけるIoT機器の設置場所や稼働状況、ファームウエアのバージョンなどを可視化できる。例えばあるセンサーで異常が発生した場合、場所や型番を特定して適切な人材を向かわせるなどの対処が取りやすくなる。2019年度上期をめどにファームウエアのアップデートを遠隔から一括で実行する機能も追加する予定だ。

JP1 for IoT - デバイス管理の使用イメージ
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 導入企業が既にIoT向けのクラウドサービスやゲートウエイを導入していた場合でも、JP1 for IoTで統合管理できるようにするという。出荷時点では米アマゾン ウェブ サービス(Amazon Web Services)のIoT向けプラットフォーム「AWS IoT」とソラコムのデバイス管理サービス「SORACOM Inventory」、日立のOT(オペレーショナルテクノロジー)データ収集用の製品「OTデータ収集基盤」に対応している。

 外部から持ち込んだUSBデバイスやパソコンを通じて、IoT機器がマルウエアに感染するといった被害を防ぐのがJP1 for IoT - NX UsbMonitorとJP1 for IoT - NX NetMonitorだ。事前登録していないUSBデバイスや端末を接続すると即座に検知して、接続を遮断するなどの対策を取る。ログを取得して不正な利用がないか監視する機能も備える。

JP1 for IoT - NX UsbMonitorとJP1 for IoT - NX NetMonitorの使用イメージ
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 IoTに注目が集まり工場などでPoC(概念実証)を実施するケースは増えている。しかし「本番環境での運用となるとつまずく企業はまだ多い」と、日立の加藤恵理IoT・クラウドサービス事業部主任技師は明かす。同社はJP1で蓄積してきたシステムの運用管理の技術やノウハウを生かして、同じ悩みを抱える企業を支援するという。

 JP1 for IoT - デバイス管理の価格はIoTデバイス1000台の場合で月額16万円から(初期費用を除く)。2019年3月29日から出荷する。JP1 for IoT - NX UsbMonitorの価格はUSBポートが4個の場合で55万円から。JP1 for IoT - NX NetMonitorの価格は管理対象台数が100台の場合で190万円から。それぞれ2019年5月31日から出荷する。