低価格スマートウォッチで追い上げ狙うフィットビット

2019/03/12 05:00
宇野 麻由子=日経 xTECH

 米フィットビット(Fitbit)は、価格を2万5290円(税込み)に抑えたスマートウオッチ「Fitbit Versa ライトエディション」を2019年3月15日に日本で発売する。2018年6月に発売した「Fitbit Versa」の廉価版に当たるもので、音楽再生や腕時計画面でのワークアウト表示、上り階段数の測定、水泳におけるラップ測定などの機能を省いた。スマートウオッチの入門機として、若年層や女性の取り込みを狙う。

「Fitbit Versa ライトエディション」
ベルトなどのアクセサリーは「Fitbit Versa」と共通(撮影:日経 xTECH)
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 同時に、小型の活動量計で「Ultra」シリーズの後継機とする「Fitbit Inspire」(1万1790円、税込み)と、心拍センサーを搭載する「Fitbit Inspire HR」(2万1470円、税込み)子供向けの活動量計「Fitbit Ace 2」(1万1790円、税込み)を発表した。

 同社 Vice President Marketing Asia PacificのJaime Hardley氏は、同社はスマートウオッチ(Fitbit Versa)を9000万台販売し、米国で2番手のスマートウオッチブランドとなったこと、アクティブユーザーが2760万人いることを紹介し、機器から収集する活動量や睡眠といった生体データは最大規模であり、同社が健康プラットフォームを構築しているとアピールした。今回追加した4機種で、従来スマートウオッチや活動量計を使っていなかった層にアプローチする。

 同社では減量などを目的とするフィットネス分野から、医療系分野への拡張も目指しているようだ。Hardley氏は、Fitbit製品を活用して約66kgの減量に成功した女性の例に加えて、糖尿病を患い減量目的でFitbit製品を購入し、ある日安静時心拍数が大幅に低いことに気付いて病院に行って動脈の閉塞が見つかり緊急手術を受けた男性の例を紹介した。家庭用血圧計のように、病気の自己管理や初期スクリーニングといった役割を目指しているとみられる。

安静時心拍数の低下から動脈の閉塞が見つかった事例を紹介
(撮影:日経 xTECH)
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 発表会には、元Jリーガーで元サッカー日本代表でもあり、現在は腸内細菌叢(そう)の解析によりアスリートの体調管理支援などを勧めるAuB(東京)の代表取締役である鈴木啓太氏が登壇した。鈴木氏は、現役時代は毎朝の尿検査によって自分の水分状態を把握し管理していたことや、現在も不整脈のため負担になる運動は避けなければならないことから、Fitbitで計測する脈拍を参考に生活しているといった体験を話し、「生体データをモニタリングすることで行動変容が起きる」とした。また、「腸内細菌は研究途上だが、将来、Fitbitで計測したデータと腸内細菌のデータをかけ合わせることで、より個人に合った食事や運動を実現できるのではないか」と期待を見せた。

元Jリーガーで元サッカー日本代表の鈴木啓太氏
不整脈のため激しい運動をするときには服薬が必要であることを明かし、日常生活の中で急いでいて走りたいような場面では心拍を確認して決めると話した(撮影:日経 xTECH)
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