新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2019年度(平成31年度)から金属積層造形(アディティブ・マニュファクチャリング=AM)をテーマにした新しい基礎研究開発プロジェクトを始める。金属AMで部品を造形する際の金属粒子の溶融凝固現象などの解明を目指す。プロジェクト名は「積層造形部品開発の効率化のための基礎技術開発事業」となる見通しだ。

金属AM加工のイメージ
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 金属AMは金属粉末などをレーザー光などで加熱して溶融させて、意図する形状に凝固させる加工法。製造のキモとなる金属粉末の溶融凝固現象にはまだ未解明な部分があり、金属AMによる部品製造で品質管理や信頼性を高めるために、解明が不可欠とされる。

 現在、計画中の基盤技術開発プロジェクトでは、シミュレーション手法で基礎現象をまず解明し、欠陥のない金属AM部品の製造法を明らかにすることを目指す。経済産業省が平成31年度の新規事業として立案し、NEDOが実施する。平成31年度の予算規模は約1.5億円の見通し。

 金属AM技術では米欧の企業が、製造装置や積層材料の開発で先するとされる。NEDOの技術戦研究センターは「金属AM技術向け装置の事業化が進み、金属AM製造部品の品質管理や信頼性手法を確立すれば、国内でも金属AM事業化が進展し、競争力を高められる可能性がある」と分析する。

 金属AM装置内で金属粉末などをレーザー照射で溶融凝固する際の金属蒸気や溶融時のメルトプールの発生現象などはまだ解明途上にある。溶融・凝固時の微細な現象を画像解析技術などで解析。結果を基にモニタリング技術を確立すれば、金属AM装置に溶融凝固状態をフィードバックする技術が確立できる。これにより、金属AM装置による部品製造時の品質管理手法や信頼性手法を見いだす。

 本基盤技術開発プロジェクトの詳細内容は2019年4月以降に公表される。NEDOが主催する研究開発事業に参加する企業や大学、公的研究機関などに、新年度の事業の公募要領を提示する際に、同時に公表する予定だ。