オリンパスは、大腸の内視鏡画像をAIで解析し、ポリープが腫瘍であるか判定する内視鏡画像診断支援ソフトウエア「EndoBRAIN(エンドブレイン)」を2019年3月8日に発売すると発表した。EndoBRAINは内視鏡分野において国内で初めて薬事承認を取得したAI商品だという(関連記事)。希望販売価格は450万円で、今後3年で260台販売することを目指している。

判定画面(左)と大腸内視鏡画像(右)
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2019年2月25日に開催した記者発表会に登壇した昭和大学横浜市北部病院 消化器センター長の工藤進英氏
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 大腸がんは、早期に発見できれば完治が望めることが分かっている。海外の研究では、大腸内視鏡検査を受けた人は、受けない人に比べて「大腸がんによる死亡率が約70%低いことが分かっている」(昭和大学横浜市北部病院 消化器センター長の工藤進英氏)ほどだ。しかし、大腸内視鏡検査を行っても26%の確率で腫瘍が見落とされているという報告もあり、検査の精度が課題となっていた。

 そこで、昭和大学と名古屋大学、サイバネットシステムは、大腸内視鏡検査を支援するソフトウエアを共同で開発し、2018年12月にクラスIIIの高度管理医療機器の承認を取得した。

 EndoBRAINは、2018年2月にオリンパスが発売した超拡大内視鏡「Endocyto(エンドサイト)」と組み合わせて使用する。Endocytoを使って520倍の倍率で撮影した大腸内視鏡画像を、EndoBRAINに搭載したAIがわずか0.4秒で解析し、腫瘍である確率を出力する仕組みである。医師は手元のボタンを押すだけで良いため、「使いやすい」と昭和大学横浜市北部病院 消化器センター 講師の森悠一氏は強調する。

 腫瘍か非腫瘍かの識別は、画像の質感を測定するテクスチャ解析を行っている。名古屋大学 情報学研究科 教授の森健策氏らのグループが、腫瘍と非腫瘍では腺腔パターンや血管模様、細胞核の大きさが異なることを利用して、312の指標を作成。この指標を使って、腫瘍である確率をAIが統計的に算出する。

 EndoBRAINの正診率は95%を超えており、「非専門医の正診率約70%に勝っている」と昭和大学横浜市北部病院の森氏は言う。まずは非専門医や非熟練医に向けて提供したいとしている。