安川電機は、スポット溶接用ロボット「MOTOMAN-SP」シリーズの新機種として、可搬質量が110kgで最大リーチが2702mmの「同180H-110」を発売した(図、ニュースリリース)。可搬質量が180kgで最大リーチが2702mmの「同180H」をベースとして、高速での動作を可能にしたもの。自動車ボディーや部品の高加圧スポット溶接に向く。

 新機種では、最大リーチを同180Hと同じ2702mmとしながら可搬質量を110kgと引き下げた。これによって生じたモーターの余力を各軸の最大速度と加減速度の最適化に利用し、スポット溶接動作のサイクルタイムを短縮したという。軽量スポット溶接ガンで、大型ロボット並みの広い範囲の溶接が求められる工程に対応できる。

 その他には、中空構造の上アームを採用した。リスト部(マニピュレーターの手首軸部分)が開放構造のため、マニピュレーターへのケーブル組み付け作業(艤装)がしやすい。単線ケーブル交換も可能で、メンテナンス性が向上している。さらに、艤装時のリストの干渉半径とリスト幅を縮小でき、対象物との接近性が高まる。上腕部(U軸)の後方には機器を追加できる空間を確保しており、ロボットの外形からのはみ出しを抑えられる。

 同シリーズの既存機種と同じく、電動ガン用サーボモーターには容量が2.5kWと大きめのものを搭載する(関連記事)。これにより、アルミニウム合金や高張力鋼板(ハイテン)といった新素材向けの高加圧スポット溶接に対応しやすくなった。ロボットの出し得る最高速度での動作を可能にする「最高速度動作指定(VMAX機能)」や軌跡誤差を最小化する制御を採用。ロボットとコントローラーの間の接続ケーブルは1本で、セットアップ時の配線時間を短縮できる。

 マニピュレーター内部の通信線が断線したり各軸サーボモーターのエンコーダーに異常が発生したりすると、プログラミングペンダントに異常アラームを表示し、異常箇所を特定しやすくする。仮配線のためのマルチポートを各部位に搭載するなど、メンテナンス性にも配慮している。

 適用コントローラー「YRC1000」は、電源回生機能を標準装備。電圧変換回路も内蔵しており、海外電圧(380〜480V)にトランスなしで対応できる。価格は要相談。