東京電力ホールディングス(HD)は2019年2月19日、電波を使ったセンシング技術の開発などを手掛けるOrigin Wireless Japanと組んで、介護施設における入居者見守りサービスの実証実験を始めたと発表した。被介護者と介護者双方の負担軽減に加え、東電HDの配線設備を活用することで設備投資を抑えることを目指す。

「Origin-Bot」、電波を送信する「Bot」(左)と受信する「Origin」のペアから成る
(出所:東京電力ホールディングス)
[画像のクリックで拡大表示]

 Origin Wireless Japanは米国メリーランド州に本社を持つベンチャー企業の日本法人。Origin WirelessはWi-Fiの電波を使って物体の動きなどを検知するデバイス「Origin-Bot」を開発している。Origin-Botは電波を送信する「Bot」と受信する「Origin」のペアから成り、常に電波を送受信する。同社は機器を通じて集めたデータを分析し、ヒトやモノの動きの可視化を支援する。例えば室内で人が動くと電波の反射パターンにゆらぎが生じる。このゆらぎを分析することで人の動きをリアルタイムに把握できる。ゆらぎの分析にはAI(人工知能)を活用し、呼吸に伴って上下する胸の動きなどわずかな変化も検知できるという。

 両社は実証実験を通じて、BotとOriginを各部屋のコンセントにつないで入居者の動きや呼吸を測定する。異常があった際に介護者にアラートを送ったり、呼吸のパターンから睡眠を検知したりできるシステムの開発を目指す。東京電力グループで介護サービスなどを展開する多機能型拠点「東電さわやかケアポートとしま」内の9部屋を対象に、2019年3月31日まで実施する。実験の結果を踏まえて他施設への展開などを考えるという。