三菱電機は2019年2月5日、生産準備作業を熟練技術者の代わりに実行するAI(人工知能)技術を開発したと発表した。産業技術総合研究所(産総研)と共同開発した。多品種少量生産になるほど増える生産準備作業の負担を軽減し、工場の人手不足に対応する狙い。三菱電機のFA(ファクトリーオートメーション)システムの付加機能として提供する。

 3つのAI技術を開発した。1つめが、電子部品の実装機などで精密な位置決めを担う位置決めサーボシステムの制御パラメーターを最適化するAI。これまでは熟練技術者が1週間以上かけて加速度のかけ方を調整するのが一般的だった。ベイズ最適化の手法を応用し、実機で試行しながらパラメーターの最適な値を自動で見つけられるようにした。8種類720個のパラメーターの最適化にかかる期間は1日。サーボシステムの動作時間も、人が調整する場合に比べて20%短くできた。

位置決めサーボシステムの最適なパラメーターをAIが探索する
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 残りの2つは、レーザー加工機による加工品質を画像から判定し品質向上のためにレーザーの出力や焦点位置などの補正を提案するAIと、ロボットの力覚センサーの出力から異常動作を判定するAI。後者は時系列データ分析向けの機械学習技術を適用し、部品欠損や異物混入などの異常について力覚センサーの出力をそれぞれ30~50パターン学習させて実現した。

 提供開始の時期は未定。三菱電機の水落隆司先端技術総合研究所所長は「技術的なハードルはクリアした。使い勝手の部分など製品として提供するための開発を進め、できるだけ早く製品化する」と述べた。