クラウド会計ソフトを運営するfreeeは2019年1月30日、金融機関やソフト開発者などに向けたオープン化戦略を発表した。全国信用金庫協会と提携し加盟社260のうち253の信用金庫とシステム連携するほか、freeeのクラウドサービスと連携するアプリケーションを公開・販売できる「freeeアプリストア」を開設した。

 freeeと信用金庫との連携は2019年2月4日から順次始める。freeeのクラウド会計サービス「freee」と信用金庫のオンラインバンキングサービスなどをAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)で連携。信用金庫に口座を持つ企業や個人事業主が、取引先への支払いや入金などの取引データをそのままfreeeの会計ソフトに取り込めるようにする。

会見でオープン化戦略を説明する佐々木大輔 CEO(最高経営責任者)
[画像のクリックで拡大表示]

 さらに信用金庫の職員がfreeeを活用した業務効率化や経営支援にもつなげる。会見に登壇した城南信用金庫(東京・品川)の担当者は「freeeの活用を促して経理業務の効率化を指南したり、経理データを基にした経営指導につなげたい」と抱負を語った。

 これまでもfreeeと連携していた信金はあった。連携に使っている技術はオンラインバンキングのWeb画面を解析・スキャンしてfreee側にデータを取り込むWebスクレイピングだ。同技術を使う場合、データ取得に時間がかかったり処理エラーが起こったりするなど使い勝手に問題があった。API連携により、短時間かつ正確なデータ連携が可能になる。

 freeeは都市銀行や地方銀行とはAPIで14行と連携し、Webスクレイピングも含めて30行と連携済み。2017年に施行された改正銀行法で銀行には2020年6月までにAPIを整備する努力義務が課せられており、今後もAPI連携する金融機関を増やしていく方針。

 またfreeeはサードパーティーが連携アプリケーションソフトやクラウドを公開・販売できる「freeeアプリストア」を1月30日に開設したことも発表した。従来もfreeeのAPIを使ったアプリはあったが、目的のアプリを探して利用開始するまでの手順を簡単にできるようにした。

 「日本のソフトウエア業界は自社製品への囲い込みを優先していた。この常識を変えたい」。佐々木大輔CEO(最高経営責任者)はこう意気込みを述べた。APIの積極的な公開とアプリストアの整備により、対応アプリの数を早期に300本に増やす。法人向けクラウドサービスとしては国内最大級という。また金融機関とは2020年12月までに90%以上の法人とAPI接続を実現するとの目標を掲げた。

1月30日に開設した「freeeアプリストア」の画面
[画像のクリックで拡大表示]