米HPのディオン・ワイズラーCEOは2018年5月15日、来日を機にグループインタビューに応じ、同社の事業や今後の戦略について説明した。分社によりパソコンとプリンターを中心とする企業になったが、こうした成熟分野でも好業績を記録。将来は3Dプリンティングを成長の柱にしていく考えだ。

米HPの事業について説明するディオン・ワイズラーCEO
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 約2年半前の分社後も同社は一貫して成長しているという。2018年第1四半期(2017年11月~2018年1月)の売上高は、前年同期比14%増の約145億ドル。パソコン事業もプリンター事業も2桁成長を続けているという。「これをやったからうまくいったという理由があるわけではない。いたずらにシェアを追っているわけでもない。やるべきことをやってきた結果だ」(ワイズラー氏)。

 同氏は今後の戦略の柱として「コア」「グロース」「フューチャー」の三つを挙げた。

 コアは、現在の主力事業であるパソコンとプリンターだ。日本でのパソコンのシェアは前年比0.6%増の14.2%と過去最高を記録した。ワイズラー氏は「パソコンとプリンターを合わせた世界市場は5000億ドル。ペースは比較的ゆるやかだが、まだ成長の余地はある」と語る。

 グロースは今後3~5年の事業の柱で、A3複合機、グラフィック(印刷)、サービス化の三つだという。

 A3複合機は、2017年末に韓国サムスン電子(Samsung Electronics)のプリンター事業を買収したことで強化した。HPは、550億ドル規模のA4プリンター市場でトップシェアを持つのに対し、同規模のA3複合機市場では4%のシェアしかない。このため、分社後すぐにA3複合機市場に取り組むことにした。

 そこで白羽の矢が立ったのがサムスンだ。他社のA3複合機は数千もの部品から成っていたのに対し、サムスンのA3複合機はたった200程度の部品しかなかったという。これにより保守コストが下がり、ひいては印刷ページ単価も下げられる。HPはサムスンの事業の買収により、多くの知的財産や優秀なエンジニアを獲得できた。日本で働いている日本人の研究開発エンジニアも多いという。

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