MEMS(微小電子機械システム)分野の旗艦学会「IEEE MEMS 2018(The 31st IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems)」が、2018年1月22~24日、英アイルランド島・ベルファストで開催された。前回に続く2回目の今回は、モード局在化センサーについて。

 ほとんどのMEMSセンサーは、機械的な変形量や振動振幅を測定することで、圧力、加速度、角速度などをセンシングする。また、機械的な共振周波数を測定するFM(周波数変調)方式のMEMSセンサーもある。しかし、これらの「直接的」な原理とは異なるモード局在化(mode localization)と呼ばれる現象を利用するMEMSセンサーがあり、「技術者塾」などで解説してきた。ここではモード局在化センサーを紹介しよう。

 モード局在化は、弱くカップリングした複数のおおよそ等しい共振子において、摂動によって振動エネルギーがいずれかの共振子に偏る現象である。同じ共振子が弱いバネkcで結合されているとする(図1)。この振動系には2つのモード(同相モードと逆相モード)があり、いずれのモードでも2つの共振子の振幅は同じである。ここで、一方の共振子のばね定数kまたは質量mが外乱によって僅かに変化すると、2つの共振子の振幅が大きく異なってくる。この原理によれば、2つの共振子の振幅比によって外乱を測定するセンサーができる。感度はカップリングばねkcを弱くすると高くなるが、キーポイントは、振幅比の変化は周波数の変化よりずっと大きいことである。

図1 モード局在化の説明図
2つの等しい共振子が弱いばねkcによって結合されている。一方の共振子のmまたはkが僅かに変化すると、振動エネルギーがどちらかの共振子に大きく偏る。
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