報連相をしない。リーダーを困らせる部下の典型的な行動パターンだ。こんな部下を生かすための心構えとは。

 流通業系SI企業で決済システムの刷新プロジェクトのプロジェクトマネジャーを務める谷村は、チームメンバーの石田にデータ構造設計を担当させていた。石田には、毎週どこか作業のきりがいいところで作業報告をするように伝えてあった。

 ところが石田は谷村に報告をほとんどしてこなかった。そしてある日、石田がおずおずと谷村に報告したいことがある、と言ってきた。ユーザーからのヒアリング内容に不備があったことに気付かず作業を進めてしまったため、再ヒアリングと現状調査が必要になった。現状ではとても期日に間に合いそうにないという。

 谷村は、いまさら何を言うか、と石田への怒りを募らせた…。

 谷村氏と石田氏のエピソードを、他人事とは思えない読者も多いのではないだろうか。管理職なら、部下に対して「報連相」の徹底を口うるさく指導していることだろう。部下のほうなら、新入社員時代から「報連相はこまめにせよ」と耳にタコができるほど聞かされているはずだ。ところが現実には、報連相をきちんとするタイプと、報連相ができない・しないタイプが存在する。

〈イラスト:小林 ちか子〉

機転が利くことを求めない

 報連相ができる部下は、リーダーが何を求めているのかを理解している。報告の目的を理解し、伝え方、タイミング、報告の粒度などが的を射ている。いわば、「機転が利く」と言ってもよい。逆に報連相ができない部下は、そもそも報告の目的が曖昧、または全く理解できていないことが多い。そのため聞かれたことしか話さない、聞かれないと報告しない、表面的なことしか報告しない、などということになる。

 機転が利く部下なら自分で判断し、考えて適切な報連相ができるだろう。しかし全てのメンバーが機転が利くわけではないし、機転を利かせることを求めるのも間違いだ。機転の利かせ方は、経験を積んで身につく人もいれば、身につかない人もいる。そこを改善することに力を入れるのは無駄といえる。

 機転を利かせることを求めるのではなく、メンバーが自発的に適切な報告をする状況を作る必要がある。そのためにリーダーが変えなければいけないのは、部下に対するアプローチだ。対処策は4つある。

報連相ができない部下への対処策
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