会社のITシステムが使いにくければ、生産性は上がらず、働き方改革など不可能だ。SEは今、操作性に優れたユーザーインタフェース(UI)を備えたシステムの開発スキルが求められている。そのノウハウに迫る。

 利用者が多様化していることから、企業のITシステムにユニバーサルデザインの考え方を取り入れるケースが増えている。SEはユニバーサルデザインに関するスキルも習得しておいたほうがいい。まずは2つのポイントを押さえよう。

ユニバーサルデザインのポイント(1)
規約通りのコーディングで使いやすく

 聴覚障害者や高齢者などでも利用しやすいように製品やサービスを設計、製造する考え方がユニバーサルデザインだ。企業内に働く人が多様化する今、企業システムでも無視できなくなっている。

 2016年4月には、いわゆる「障害者差別解消法」が施行された。法律の目的は、障害を理由とした差別の解消を図ることだ。「企業内システムといえども、誰でも利用できるようにデザインすることが望ましい時代になっている」と日立社会情報サービスの冨安悠 公共ソリューション第2本部 ユニバーサルデザイン部 デザインソリューショングループ技師は話す。

ユニバーサルデザインに配慮してデザインしたWebサイトの例
架空の市町村をモデルにしたもの(画像提供:日立社会情報サービス)
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 とはいえ、これまでユニバーサルデザインに縁がなかったITエンジニアがいきなり、ユニバーサルデザインに取り組むのはハードルが高い。

 そこで身近ですぐにできる取り組みが、規約通りにコーディングすることだ。目が見えない人が利用する音声読み上げソフトは、HTMLの規約に従って「見出し」「概要」などを解釈して利用者に伝える。「HTML5でセマンティックの定義が増えるなど、音声読み上げソフトを使って提供できる情報量が増えている。これを生かすためにも、正しいコーディングを心がけたい」と冨安技師は話す。

 さらに一歩進んで、きちんとユニバーサルデザインを踏まえたUIを作成したい場合には、JIS(日本工業規格)が既にある。「JIS X 8341-3:2016」で、正式名称は、「高齢者・障害者等配慮設計指針―情報通信における機器、ソフトウエア及びサービス‐第3部:ウェブコンテンツ」と言い、ISO(国際標準規格)「ISO/IEC 40500:2012」と一致した内容になっている。JIS X 8341-3は「イントラネットの業務システム」も対象にしており、ユニバーサルデザインを踏まえた社内システムの開発に役立つ。

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