テスト計画では、テスト対象の決定、テスト種類の決定、準備対象の洗い出し、スケジュールの決定などの作業を実施する。特に重要なのはテスト対象の決定とテスト種類を含むテストのやり方の決定だ。これらを決めないと根拠が曖昧なスケジュールしか作れないし、次プロセスのテスト設計に必要な情報が不足してしまう。

 ソフトウエアテストで最初に実施するプロセスが「テスト計画」だ。テストの対象とする業務や機能を決定したり、テスト対象に対して実施するテストの種類を決定したりする。スケジュール表を作成するのもテスト計画の作業だが、あくまでもテスト対象やテスト種類などを基に決めていく。テストは積み上げで計画を立てないと、品質低下や納期遅延のリスクが高まる。今回はテスト計画の中核を成す、テスト対象を決める方法とテスト種類も含めたテストのやり方を決める方法を解説する。

テスト対象の決定
検証すべき箇所を見極める3ステップ

 テスト計画で最初にやるべきなのはテストの対象を明確にして、優先順位を付けることだ。経験が浅いテスト担当者は「計画」という言葉のイメージから、スケジュール表を先行して作ってしまいがち。これはよくあるアンチパターンである。あるSIベンダーの若手社員「ワカテくん」もテスト計画の進め方の落とし穴にはまったようだ。

ワカテ:ソフトウエアテストの最初は計画とのことなので、早速スケジュール表を作ってみました。

センパイ:いきなりスケジュールを作ったんだ。それは結構危ないな。どうやってテスト設計やテスト実行の実施期間を決めたのかな。

ワカテ:リリース日が6カ月後だったので、そこから逆算してテスト設計を2カ月、テスト実行を2カ月としました。過去のプロジェクトを調べたところ、そのくらいだったんです。

センパイ:本当にその期間内で終わるという裏付けはあるかな。テストが期間内に終わらないと、ボロボロの品質でリリースすることになったり、納期に間に合わなくなってしまったりするよ。テスト計画では、まず何を対象にどんなテストをやるのかを決めるのが大事なんだ。スケジュールを立てるのはその後だよ。

 ソフトウエアテストの準備段階から終了段階までの一連の作業を「テストプロセス」と呼ぶ。テストプロセスには、「テスト計画」「テスト設計」「テスト実行」と、各プロセスの状況を確認する「テスト管理」の4つがある。テスト計画は最初に実施するテストプロセスだ。

 テスト計画では、限られた期間の中で何をテストするかを初めに決める。決して、スケジュールの作成が最初ではない。テストの対象や種類を決めずにテスト設計に進むと、必要なテストが実施されないままリリースを迎えるかもしれない。大きなトラブルを生むリスクを抱えたまま、製品を世に出すようなものだ。

 お弁当を作ると想像してほしい。最初に考えることは、誰のどんなイベントのために作るのか。主食となるのは米なのかパンなのか。限られた弁当箱にどのようなおかずを入れるか。最初にそれらを考えてから調理を始めるだろう。ソフトウエアテストも同じだ。

 テスト対象の決定は次の3ステップに分解できる。

STEP1 テスト対象の候補を洗い出す

STEP2 テスト対象の優先順位を決める

STEP3 テスト対象が変更されるリスクを想定する

 以下、テスト計画の最初の一歩であるテスト対象の決定について順を追って説明しよう。

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