テストが計画通りに実行できているかを管理するのが「テスト管理」プロセスである。進捗状況や不具合の傾向を分析し、プロジェクトリーダーに報告する作業だ。テスト管理プロセスの最後には「テスト終了報告書」を作成する。

 ソフトウエアテストでは、テストの計画、設計、実行といったプロセスとは別に、それらの実施状況を把握する「テスト管理」のプロセスが必要だ。テスト管理は「テスト実行管理」と「テスト終了報告」の2つのサブプロセスから成り立つ。

テスト実行管理
テストの進捗状況を正確に把握

 テスト実行時に実行するテスト管理のプロセスを、この記事では「テスト実行管理」と呼ぶ(図1)。テスト実行管理では、テスト実行の進捗や不具合の規模や傾向といった情報を、テスト管理者が収集して管理する。テスト管理者は把握した情報を基に、プロジェクトの方向性を判断する情報をプロジェクトマネジャーに提供する。先輩社員の「センパイ」さんと若手社員の「ワカテ」くんがテスト管理について話している。

図1●テストプロセスの全体像
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ワカテ:テスト実行スケジュールまで用意できたら、後はテスト実行の担当メンバーにゆだねればいいのでしょうか。

センパイ:テスト実行では、それを管理する「テスト実行管理」も重要になるよ。実は、テストの効率は管理の良しあしに左右されるんだ。

ワカテ:そうなんですか。テストケースを素早く消化できるかどうかかと思っていました。

センパイ:今回はテスト実行での管理について説明していこうか。

 システムのリリース可否をプロジェクトマネジャーが判断するためには、テスト管理者がテスト実行段階で把握、抽出した正確な情報が欠かせない。テスト管理者が曖昧な情報しか出せないと、不具合対応で後手に回り、同じようなテストを何度も繰り返したり、不安に駆られたプロジェクトマネジャーが必要以上にテストの網羅性を高めようとしてしまったりする。

 結局のところ、効率的にテストを実行するには、テスト管理者がテストチームの様子や日々のテスト進捗、発生する不具合をいかに正確に把握できているかがものをいうのだ。一言でいうと「管理精度が高い」ことがテスト管理者に求められる。テストケースの消化スピードを速くするだけでは、効率的なテスト実行とはいえない。

テスト実行管理で必須となる3つの情報

 テスト管理者はテスト実行中の様々な事実、結果を誰にでも分かる状態に可視化し、プロジェクトマネジャーに適宜提供する必要がある。可視化すべき項目は大きく分けて、(1)テスト実行の進捗状況、(2)不具合の規模、(3)不具合の傾向、の3つだ(図2)。これらの情報があれば、プロジェクトマネジャーはテストを追加する必要性やリリース時期を判断できる。

図2●テスト実行管理の心得
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 テスト実行管理の基本となるのが、テスト実行時の不具合の報告書である「バグ票(不具合チケットなどとも呼ばれる)」だ。これは、テスト実行者が作成するドキュメントである。検出した不具合と再現方法を記述して、開発者や設計者などプロジェクト関係者と情報を共有する。不具合をチケットとして管理する「バグ管理システム(BTS)」を使う現場もあれば、Excelで作成する現場もある。

 バグ票の書き方はプロジェクトによって違いがあるが、通常は発生日時、概要、期待値(本来期待される結果)、実行結果、操作手順、エビデンスといった内容を記載する(図3)。テスト管理者がテストの実行状況と結果を把握するには、テストケースとバグ票が重要な情報源となる。

図3●バグ票の記入項目の例
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