コミュニケーションで大事なことは互いのニーズを共有すること。そのためには「見せる」「整える」「紡ぎ出す」の3つのプロセスが必要だ。今回は見せる手法、ファシリテーショングラフィックを紹介する。

 中堅ITベンダーの土屋君という人物を通じて、仕事を上手く進めるための現場コミュニケーションについて、そのポイントを6回にわたってお伝えする。今回はその第2回。現場コミュニケーションにおける「見せる」手法について紹介する(図1)。

図1●現場コミュニケーションのための3つのプロセス
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新人は会議やミーティングで迷子になる

「あの~、今は何の話をしているんでしたっけ?」

 それまで黙っていた部下で新人の不知火に話を振ると、申し訳なさそうに言葉を発した。

「ん?あ、え~っと…」

 少し慌てた土屋はどこから話をしようかと、議論の流れを思い出そうとした。だが、どうも思い出せず言いあぐねていると、水田課長が助け船を出してくれた。「来週のスイセー社との打ち合わせでアピールするポイントをどうするかを話していたよな。その関連で先日の障害の話が出たという流れなんだよ」

 そう、スイセー社からの機能追加をどうするか、その会議を明日に控えての打ち合わせだった。不知火の質問の前までは、先日起きた障害の話をどう伝えるかを話していた。その障害の話も今回の機能追加に関連するので、話を混同してしまったのだ。

 仕事の中では、会議やミーティングに多くの時間を割かれている。話が迷走しいたずらに時間が過ぎていく会議、話し手の独演会になって誰からも意見が出ないミーティング、あなたの部署ではそんなことは起きていないだろうか。

「それは会議の流れを見せていないからじゃない?」

 同僚の金城をランチに誘った際、打ち合わせでの出来事を話したら、予想外の答えが返ってきた。

「会議の流れを見せていない?」

「そう、会議やミーティングには地図が必要なの」

「議事録ならパソコンで取っているし、会議のテーマとかもホワイトボードに書いているけど」

「議事録は結果でしょ。みんなを巻き込んで共通認識を得るプロセスには、全員が同じ地図を見る必要があるのよ」

 金城はそう言いながらスケッチブックをカバンの中から取り出した。スケッチブックには絵ではなくて、文字や図が紙面いっぱいに書かれていた。しかも黒文字、赤文字、青文字などとカラフルで、アニメの魔法陣のようなものが描かれていた。

「これは、私が今日の会議でファシリテーショングラフィックしたものなの」

「ファシリテーショングラフィック?」

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