会議や打ち合わせの際の「見せる」「整える」「紡ぎ出す」の重要性を説いてきた。実際にはそれに加え、ミーティングや調整の進め方もマスターする必要がある。そのためにはまず進め方の型を学んだうえで、自ら工夫していくとよい。

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 中堅ITベンダーのカセイシステムでプロジェクトリーダーを務める土屋君という人物を通じて、仕事をうまく進めるための現場コミュニケーションのポイントを解説している。今回と次回はミーティングや調整の型を学ぶことについてお伝えする。

不知火君からの相談

 土屋が会議や打ち合わせで「見せる」「整える」「紡ぎ出す」を意識するようになってから4カ月たつ(図1)。いまだ試行錯誤の状態ではあるが、顧客であるスイセー社の木元課長からは、以前より頼りにされるようになってきている。土屋は徐々に手応えを感じ始めていた。

図1●現場コミュニケーションのための3つのプロセス
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 そんなときに後輩である不知火から、ミーティングを円滑に進めたいので相談に乗ってほしいという連絡があった。

 土屋からも見ると、不知火は真面目で責任感も強い。最近は土屋のやっていることをまねするようになってもいる。ホワイトボードやスケッチブックを使って「見せる」ことも意識している。だが不知火によると、いつもミーティングでは話が中途半端に終わってしまうとのことだった。

 確かに不知火がリードするミーティングでは、なんとなく始まってなんとなく終わることが多い。相手の意見や考えを聴く姿勢はあるのだが、最後がいつも曖昧な印象を受けていた。

 そこで、同僚の金城に意見を求めてみた。

「後輩や部下にもっとミーティングや調整のうまいやり方を教えたいんだけど、金城さんはどうしているの」

「ミーティングや調整は守破離(しゅはり)で上達していくのよ。そのためにはベースとなる型があると便利よ」

「守破離って何?」

「守破離は簡単に言うと、物事の上達するプロセスを言っているの。最初は型を学ぶ。これが『守』ね。慣れてきたら徐々にアレンジするの。これが『破』よ。そして最終的に自分なりのやり方にしていくわけ。型から離れていくから『離』ね」

「まずは型を学ぶ『守』だけど、以前、私がつくって水田課長に見てもらった資料があるので、よかったら参考にしてみて」

 金城はその資料を見せてくれた(図2)。そこはミーティングや調整のフェーズとして「イメージ」「セットアップ」「発散」「収束」が記されていた。

図2●ミーティングや調整の型
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 土屋はセットアップ、発散、収束というフェーズは分かったが、イメージというフェーズが何なのかが理解できない。質問すると金城が教えてくれた。

「プロジェクトと同じでミーティングや調整でも、終わりから逆算して考えていくのよ。そのためには最初の段階で、終わりの状態を明確ににしておくことが大切なの」

「確かに、そうかもね。僕もスイセー社の木元課長とのミーティングの際には、最後に課長が納得した表情を浮かべてくれるのをイメージして話を始めているよ」

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