ビジネス向けのチャットツールは多く存在するが、Slackはひときわ人気が高く採用企業も増えている。開発者としてSlackの運用に携わった経験を基に有用な機能と導入・運用のポイントを解説する。

どの契約プランを選ぶべきか

 Slackには4つの契約プランがある(表1)。メッセージ送信やファイル共有といった基本的な機能は無料版で使える。ただし、無料版は検索したり、閲覧したりできるメッセージが1万件という制限がある。制限数を超えると古いメッセージが非表示となり、有料プランに変更すると検索・閲覧可能になる。1万件は多いように感じるが、すぐに消費してしまうので注意したい。100人程度で利用すると2~3日前のメッセージすら読めなくなる。

表1●Slackの契約プラン
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 プロジェクトに複数の企業が参加し、社外とチャンネルを共有したり、ワークスペースを複数作成したりするには有料版の契約が必要だ。他社と共有できるチャンネルである「共有チャンネル」や特定のチャンネルのみにアクセスできるユーザーである「シングルチャンネルゲスト」など外部接続機能や画面共有機能も有料版限定であり、ワークスペースと連携する外部アプリ数にも無料版には制限がある。

 Slackの有料プランは「Slack for Teams」と「Slack Enterprise Grid」の大きく2種類に分けられる。これらは主にワークスペースを複数作成できるかによって分けられる。例えば100人程度のプロジェクトが数個あり、ユーザーが1000人規模に収まるなら1つだけワークスペースを作れるSlack for Teamsで十分だ。

 複数の事業部が存在し、数千人を超える企業で導入するならSlack Enterprise Gridを契約すればよい。複数のワークスペースを作成でき、それらを統合管理できる機能を備えているからだ。

開発者向けの基本機能が充実

 一般ユーザーが利用しているLINEなどと異なり、開発者向けの機能が多く盛り込まれているのがSlackの特徴だ。開発時に重宝する機能を挙げる。

●マークダウンに近い装飾

 メッセージをやり取りできるのは一般的なチャットツールと変わらないが、Slackはマークダウン(Mark down)に近い文字のデコレーションに対応している。マークダウン記法はGitHubで文書を公開する際にも使われる。いわば開発者にとって慣れたフォーマットでメッセージを作成できる。メッセージを送信後に編集・削除も可能だ。

●スレッドと絵文字が使いやすい

 開発者同士でチャットをしていると、新たなアイデアや企画を思いつき話題をより深めたいといったことがある。こうした場合に利用できるのが「スレッド」だ。自分が購読しているスレッドはSlackの画面上でまとめて確認できるので、多くのスレッドを追いかけるのに便利である。またスレッドへの返信を元チャンネルに送れるので、議論に参加しているメンバー以外にも周知したい場合に活用できる。

 チャットのメッセージに対して簡易的に反応したい場合、リアクション機能で完結できる。いわゆる絵文字だ。リアルタイムに反応できなくても、後から手軽に意思表明できるので、チーム内で周知する必要のある事項を発信・確認する時間的コストを下げられる。またワークスペースごとに独自の絵文字を作成できるので、「コードを確認しました」や「レビューをお願いします」といったよく利用する文章を絵文字だけで表現できる。

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