開発現場にビジネスチャットツール「Slack」の導入が広がっている。メールに代わる新たなコミュニケーションツールとして活用する事例が増えているのだ。Slack Japanの佐々木聖治カントリーマネジャーは「Slackを使い業務を進めているデイリーアクティブユーザー(DAU)は、世界中で1000万人いる」と話す。

 Slackは開発現場が中心となって普及した。別のビジネスチャットツールと併用している企業もある。アクセンチュアの山根圭輔テクノロジーコンサルティング本部インテリジェントソフトウェアエンジニアリングサービス統括 マネジング・ディレクターは、「全社では米マイクロソフト(Microsoft)のビジネスチャットツールであるTeamsを使っているが、開発現場ではSlackを併用することが多い」と話す。

 なぜSlackが開発現場で使われ、エンジニアに人気があるのだろうか。その理由から探ろう。

開発ツールのハブになる

 Slackをはじめとするビジネスチャットツールは、単にチャットによるコミュニケーションに利用するだけでは導入効果は薄い。アクセンチュアの山根マネジング・ディレクターは「開発現場のハブとして利用し、生産性を向上できる」とSlackの有用性を強調する(図1)。

図1●Slackが各種ツールのハブになる
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 現在の開発現場では生産性を高めるため、様々なツールを用いて開発を進める。ソースコード管理ツールの「GitHub」やプロジェクト管理ツールの「Redmine」、タスク管理ツールの「JIRA」といった開発ツールが著名である。

 これら主要な開発ツールはSlackと連携できる。例えばソースコードを記述し、GitHubのリポジトリにマージするためのレビューを依頼するプルリクエストを投げたり、JIRAに新たなチケットを登録したりすると、その内容が決められたメンバーのSlack上に通知される。エンジニアがわざわざメールで作業依頼を送ることなく、Slackが自動的にメッセージを送ってくれるわけだ。

 さらにSlack上のメッセージをクリックすれば、GitHubやJIRAが立ち上がり、当該箇所を表示する。これでわざわざツールを起動したり、アクセスしたりする手間も省ける。

 つまり、Slackさえ立ち上げておけば、エンジニアが一連の開発業務を全てSlackを介してできるようになる。これで開発生産性が向上するのだ。このようにチャットツールを中心に開発・運用を進めることを「ChatOps」と呼ぶ。

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