クラウド移行では、オンプレミス環境を併用するハイブリッド構成への考慮が欠かせない。認証やログ管理、帳票出力といった共通機能の配置先は、技術やコストの観点で決める。システム間のデータ連携では、クラウドならではのトラブル要因に注意が必要だ。

 クラウド移行では、オンプレミス(自社所有)環境が並存するハイブリッド構成になりがちだ。今回は、ハイブリッド構成での共通機能の配置やデータ連携の考慮点について解説する。

 オンプレミス環境でのシステム運用時でも複数のシステムで共有して使う機能があり、それらを共通機能として配置してきた。オンプレミス環境で動作していたものが、クラウド化によってIPアドレスが変わったり、各種識別子が参照できなかったりするため、単にクラウドに持っていくだけでは動かないケースがある。また、クラウド化に伴い、クラウド側にも共通機能を用意しておく必要が生じる。システム特性、セキュリティや技術要件、コスト効率などを考慮して、共通機能の配置方法を決めなければならない。

共通機能配置の3パターン

 ハイブリッドクラウドでも、共通機能を配置する基本的な考え方はオンプレミス環境と変わらない。どのプラットフォームやアプリケーションからでも利用できるところに配置する(図1)。

図1 ハイブリッドクラウド構成による共通機能全体図
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 ハイブリッドクラウドやマルチクラウドの環境では、最終的には共通機能がどこにあっても、全サービスがAPI化されて、APIコールで処理が進む構成になっていくと考えられる。しかし、現時点ではそこまでのサービスが提供されていないので、共通機能をオンプレミス環境やクラウドに配置する必要がある。

 選択肢には、(1)オンプレミス環境の機能をそのまま使う、(2)クラウド上の機能を使う、(3)オンプレミス環境/パブリッククラウドの両方に機能を配置するの3パターンが考えられる(図2)。

図2 ハイブリッドクラウド環境での共通機能配置パターン
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