働き方改革関連法の施行を2019年4月に控え、IT職場の改革は待ったなしの状況だ。しかし、やみくもに改革を唱えても残業削減や有休取得はうまく進まず、休めないSEを生むだけだ。改革を阻む厄介な存在を押さえ、対策を打つ必要がある。

 罰則付き残業規制や有休取得の義務化が4月に迫るなか、多くのIT 職場が残業削減や有休取得率向上を目指す。だが、現場にはこうした働き方改革を阻む厄介な存在がある。「帰りにくい雰囲気」だ。

 「今週木曜日は休みです」。NECソリューションイノベータの増田智子パブリック事業本部第二官公ソリューション事業部マネージャーのチームでは、メンバーからこうした話が毎週のように出る。

 同社の第二官公ソリューション事業部では有休(有給休暇)取得率を高める取り組みを進めている。「以前は風邪を引いた、子供の行事があるといった特別な理由がないと休まない雰囲気があった」と増田マネージャーは証言する。こうした雰囲気を変えるため、同事業部では2017年、有給休暇を毎月取得させる「休むDay(やすむでぇ)」を始めた。

 内容はシンプルだ。各メンバーが前月末までに有休取得予定日と休みにやることをExcelシート上で宣言する。岸上泰三パブリック事業本部第二官公ソリューション事業部長は「有休取得を習慣付けて、雰囲気を変えたかった」と狙いを語る。

毎月の有休取得日を宣言する「休むDay(やすむでぇ)」
NECソリューションイノベータの第二官公ソリューション事業部は独自に有休取得促進施策を実施している
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 現場マネジャーはメンバーの有休取得予定日を確認し、タスクや人員を調整する。月初には調整を完了済みにしておくことで「メンバーが休むと仕事が進まなくなる」という状況にならないようにする。有休を取得するメンバーが罪悪感を持たずに済むようにする仕掛けだ。

 休みにやることを書いてもらうことで、色々な理由で休む人がいると各メンバーが認識できるようにした。「仕事のことを考えすぎて休まない人がいた。他のメンバーは趣味や家族サービスで休んでいると可視化すれば、休みやすい雰囲気になると考えた」(岸上事業部長)。

 効果は半年で出た。「休む人が明らかに増えた」(増田マネージャー)のだ。岸上事業部長は「社内で最も休める事業部になった」と胸を張る。

左から岸上泰三事業部長、増田智子マネージャー、佐々木宏一事業部長代理
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