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 ソニーが手術支援ロボットなど医療用途を見据え、力覚フィードバック付きの遠隔操作システムを開発した。

  手術支援ロボットとして世界首位の出荷実績を持つ米Intuitive Surgical社の「da Vinci」のようなマスタースレーブ型の装置である(図1図2図3)。自社の研究開発部門であるR&Dセンターで開発してきた試作機を、2019年9月に披露した。

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図1 ソニーが開発したバイラテラル遠隔操作システムのスレーブ側の外観
4軸の架台部と3軸の手先から成る。鉗子のような形状の手先部は、ワイヤ駆動である。手先にはグリッパ部とシャフト部に、光ファイバによる力覚センサを内蔵している。

 試作機はまだ基礎研究的な段階であり、すぐに医療向けに利用できるフェーズにはないとみられるが、ソニーが自社のロボット技術を医療向けに応用することを見据えていることが明らかになった。

 同社は1980年代からカメラやモニターなど映像関連の機器を手術室や検査室向けなどに提供してきたが、マスタースレーブのように物理的な動作を行う機器についても、ついに医療向けに応用しようとしている。

図2 力覚フィードバック付きの遠隔操作システムの全景
左側がマスター側、右側のロボットがスレーブ側である。左右の手を想定して2系統の遠隔操作システムを用意したが、実演では1系統のみ動作させた。0.4mm×0.2mmなどの微小な電子部品やスポンジなどを把持して、積み上げるなどのタスクを披露した。画面中央のモニターには、力覚センサで計測したグリッパの力が縦棒で示されている。
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