本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 精密減速機を手掛ける日本電産シンポが、ロボットの中核部品となる減速機で、今までにない革新的な製品の設計を進めている。

 わずかな外力で出力軸を自由に回転させられる、いわゆるバックドライバビリティ(逆駆動能力)が高い減速機だ(図1)。米University of California Berkeley(UCB)の新ロボット「Blue」に関する今号の記事で解説したように、ロボットの関節を脱力したブラブラした状態にし、外力を受け流すことに向いた減速機である。

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図1 開発したバックドライバブルな減速機の外観
横浜国立大学 教授の藤本康孝氏が開発した減速機の設計技術を、日本電産シンポに技術供与。同社が100Wモータと一体型の試作品を開発した(写真)。減速比は1:79.43。右のグラフは、その試作品のエネルギー効率である。広い負荷範囲で90%を維持している。(グラフ:日本電産シンポ)

 UCBのBlueがそうしているように、減速比を1:10未満に低く抑えれば、こうした高いバックドライバビリティ自体は従来から実現できている。しかし、ロボットアームでよく用いるような1:100もの高減速比の領域では、高いバックドライバビリティの実現は非常に難しかった(図3)。

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