本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 模倣学習(imitation learning)を実用フェーズに載せるには大量の例示データが必要である。本文で述べたようにUCBはそうした大規模データセットを模倣学習の研究用に整備する見込みだが、一方で、事業を通じてこうしたデータセットを収集、蓄積しようとする動きもある。それが、遠隔操作ロボットのベンチャーだ。

 VR用のHMDや教示装置が安価に市販されるようになってきたり、遅延の少ない5G回線が実用化されつつあるといったことから、最近はロボットを通信回線経由で遠隔操作できるようにし、各種の物理的なタスクに適用しようと試みるベンチャーが多く出てきている。

 米Double Robotics社のテレプレゼンスロボットのように、タブレットに自律移動機構を組み合わせたようなロボットは以前からあるが、最近ではそうした「プレゼンス(存在感)」の創出だけでなく、双腕アームなどを備え、実際に物理的なタスクをこなすことを目指す企業が増えているのである。各企業は小売店での商品陳列、家庭内での洗濯干し・畳みといった作業などを見据えている。

この先は日経Robotics購読者限定です。