本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 ロボット向け深層強化学習(DRL:deep reinforcement learning)の理論研究で世界的な権威であるPieter Abbeel氏が、ロボットのハードウエアに進出した注1)

 現在のロボット向けディープラーニング技術の進展を踏まえ、機械学習技術に向いたハードウエアの要件とは何かをゼロから再考。世界中の協働ロボットなどを調査した上で、新型のロボットアーム「Blue」を独自開発した。

 教師なし学習の一種である「強化学習」や、見まね学習「模倣学習(imitation learning)」の利用を念頭に置き、基本設計を施したロボットである(図1)。

図1 あのAbbeel氏がロボットのハードに進出
University of California Berkeley(UCB)教授のPieter Abbeel氏(写真左の人物)が、同大の機械工学系などの研究グループと共同で、深層強化学習を適用することを前提に新規のロボット「Blue」を設計・開発した。(写真:UCB)
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 まずは世界中の研究コミュニティにベータ版(early adopter版)を2019年5月に出荷。2019年の年末ころに正式版を投入する。

 新ロボットのBlueは、Abbeel氏が所属する米University of California Berkeley(UCB)の機械工学系や電気工学系の研究者らと共同で開発した1)

 名称のBlueの由来は、「Berkeley robot for learning in unstructured environments」。家庭内のように非定常で動的な環境で、自律的にタスクをこなせるようになることを目指している。これまで深層強化学習のアルゴリズム面で多大な成果を出してきたAbbeel氏だが、機械学習の進展を踏まえるとロボットのハードウエアの面でも、刷新の余地があると踏んだ訳だ。

注1)Abbeel氏は、日本のAIベンチャーのPreferred Networksのテクニカルアドバイザーを務めている。

 今までのロボット向けAI研究は、産業用ロボットなど既存のロボットにAI技術を適用することが多かった。

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