本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 不定形で軟らかい物を扱うことが特徴の食品分野。ロボットが苦手としていたこの領域に、ディープラーニング技術を適用する事例が出てきた。大型の冷凍機や食肉処理装置を手掛ける前川製作所が、自社の豚もも肉処理ロボット向けにディープラーニング技術を開発した。

 解体処理後の豚もも肉の内部には骨盤(腰骨)など複雑な形状の骨が埋まっているため、従来は人がナイフを使って手作業で除去していた。今回は、ロボットアームの手先にナイフを取り付け、これをロボットで自動的に除去できるようにした。肉に切れ込みを入れる際、内部の骨を取り出しやすくなるような点(カットポイント)をディープラーニング技術で推定する。

 豚もも肉は個体差なども大きいが、同技術の利用により安定的に推定できるようになった。今後、同社の豚もも肉処理ロボットの次世代機に適用するほか、従来技術と比べて大幅に推定精度を高められたことから、現行機種にも後方移植して適用する計画だ(図1)。

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図1 豚もも肉から骨を除去するロボットにディープラーニング技術
ロボットアームの先端にナイフが付いており、豚もも肉から腰骨(骨盤・寛骨)を取り出すための切れ込みを自動で入れる。この次世代機において、ナイフの切れ込み点を割り出すためにディープラーニング技術を使う。写真左は試作機の様子、写真右は大腿骨の除去用の現行機の外観。(写真:前川製作所)

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