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 ディープラーニング技術がついに建設土木分野に広がり始めた。

  ゼネコンのフジタが建機にディープラーニング(深層学習)技術を適用。土木工事やビルの土工事などの現場で広く使われる油圧ショベル(バックホウ)において、地面の掘削などの作業をオペレータなしに自動で行えるようにした(図1図2)。

  油圧ショベルに設置したRGBカメラの情報を基にショベルの状態や姿勢を推定し、運転席にある操作レバーをモータで適切に動かす。熟練オペレータの操作データから動作を学習させた。東京大学 特任准教授 松尾豊氏の研究室発のAIベンチャー、DeepXと共同で開発した。

図1 油圧ショベルのアーム制御にディープラーニング技術
ゼネコンのフジタによる試行の様子。地面に穴を掘る作業を実施している。画面右下はディープニューラルネットを動作させている制御用のPC。屋外の試験場にプレハブを建て、その中にPCを置いている。(写真:フジタ・DeepX)
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建機で最難関のショベル

 油圧ショベルは3軸の多関節アームで複雑な作業を行うほか、手先が土と接触したり、土中を掘ったりすることで土の抵抗を常に受けるため、単純な制御だけではタスクを実施しにくく、本質的には力制御なども必要な難しい制御対象である。土の抵抗自体も埋まっている岩石の有無や土の種類などによって動的に変わる。

 アクチュエータとなる油圧駆動系自体もヒステリシスや時間遅れ要素が大きく、電動の産業用ロボットとは異なった難しさがある。こうした難しさに今回、機械学習の一種であるディープラーニング技術で対処した形だ。

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