本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 ロボットアームは現時点ではまだ高価なものであり、ユーザー企業にとっては資産になるものである。このため、修理・保守しながら大事に使うというのが当たり前となっている。特にユーザー企業から見れば、減価償却が終わってからが稼ぎ時でもあるため、頑丈さや壊れにくさは重要な要素となっている。ファナックのように「壊れない」「壊れてもすぐ直せる」といった点をアピールするロボットメーカーもあるくらいだ。

 これはこれで真実ではあるのだが、筆者は今後、ロボットアームも「壊れたらどんどん買い替える」というスタイルの使い方が増えていくのではないかと想像している。

 わずか数秒のライン停止が莫大な損失になるような現場であれば、「壊れない」「壊れにくい」ことは確かにユーザー企業にとって必須の要件だが、今後普及していく協働ロボットやサービスロボットでは、必ずしもそうした使い方ばかりとは限らない。「壊れたら買い直せばよい」「丈夫さよりも、ロボット自体が安価な方がありがたい」と、真逆の発想を持つ業界や企業も増えてくるだろうと見ている。

 法人向けのロボットであっても、家電やPCといった民生機器のスタイルで頻繁に買い替えるパラダイムシフトが起きる可能性はある。実際、ここ1年ほどで、中国の企業などが数十万円ほどと劇的に安いロボットアームを投入し始めている。こうした動きを「オモチャのようなものだ」「精度が悪く使い物にならない」と軽視すべきではない。

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