本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 佐川急便などを傘下に持つ物流大手のSGホールディングスが、ロボットによる自動化に乗り出した。

  メーカーや卸売業者などから倉庫での商品保管業務やピッキング・発送業務などを請け負う佐川グローバルロジスティクス(佐川GL)が2019年1月、千葉県柏市にある自社の物流センター「柏SRC(佐川流通センター)」に搬送ロボットを導入し、本格稼働させた(図1)。

 ベンチャー企業のZMPが開発した自律移動型の搬送ロボット「CarriRo」を、1台当たり約400万円の費用を投じて3台導入した。床に貼ったマーカを底面のカメラで読み取りながら無人で走行し、センター内に到着した商品を保管棚のある場所まで牽引で運ぶ。

[画像のクリックで拡大表示]
図1 カゴ台車を牽引しながら倉庫内を自動搬送
SGホールディングス傘下で物流事業を手掛ける佐川グローバルロジスティクスは、千葉県柏市の物流センター「柏SRC」に自律移動型の搬送ロボット「CarriRo」を導入。床面のマーカを読み取りながら、歯科医療機器などを搬送している。(写真右:佐川グローバルロジスティクス)
[画像のクリックで拡大表示]

 ロボットが運んでいるのは、歯科医院向けのドリルや歯ブラシなどである。歯科医向けの卸売業者から佐川GLが保管・発送業務を請け負っている(図2)。

 従来は、これらの歯科医療機器はカゴ台車に載せて人が長距離を歩くことで運んでいたが、搬送ロボットの導入により自動化することが出来た。

 ピッキング作業自体は依然として人が歩いて行っているものの、今回のロボットの導入により、センター内で人が歩く時間を1日当たり3時間短縮できた。 今回の成果を皮切りに、2019年3月には同社の物流センターで最大規模の埼玉県東松山市の拠点にも同型機を導入する計画だ。

 佐川GLは日本全国に72カ所の物流センターを展開しているが、交通の立地の良い場所では他社の物流センターも乱立していることが多く、倉庫内の作業に当たる人材は他社との取り合いである。人件費も高騰していることから、作業の自動化は喫緊の課題だった。

 ただ、同社のような「3PL(third-party logistics)」と呼ばれる業界では、商品保管・発送業務を発注してくる顧客が3〜5年と比較的短期で入れ替わることが多い。

この先は日経Robotics購読者限定です。