不動産開発を手掛ける森トラストは、自社のオフィスビルに米Savioke社製の配送ロボット「Relay」を導入する。コーヒーなどのドリンクを1階のカフェから高層階に自動で届けるなど、テナント入居者向けのサービスとして活用する。主力事業の1つであるオフィスビルにおいてテナントへのサービスを手厚くし、自社の保有ビルの付加価値を高める。
ロボットは東京・虎ノ門に2020年3月に開業する複合ビル「東京ワールドゲート」に導入する。森トラストは同ビルから徒歩数分のほど近い場所にも、4000~5000人が入居する37階建てのオフィスビル「城山トラストタワー」を保有しており、まずはこのビルで試験導入を始めた(図1)。2019年6月末までの半年間、効果を検証する。
不動産デベロッパーである森トラストが、なぜロボットに着目したのか─。実は同社は2017年10月から新規事業として投資事業を開始。総額200億円もの投資枠を設け、自社の事業とシナジーが見込めるスタートアップなどに積極的に投資を行っている。そして、同社が出資先の1つとして選んだのが、米国シリコンバレーに本社を置くロボットベンチャーのSavioke社だった注1)。
注1)森トラストは、2018年9月にシリーズBでSavioke社に出資している。2013年創業の同社はこれまでに約39億円を調達している。森トラストの出資額は非公開。