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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 チトセロボティクス創業者で代表取締役社長の西田亮介氏は異色の経歴を持つ。

 立命館大学 理工学部に在学中にベンチャーを2度起業。学部と修士課程時代には同大 ロボティクス学科教授の川村貞夫氏の研究室で、今回の起業の技術シーズとなるロボットアーム向けビジュアルフィードバック技術を研究したが、2013年の卒業後はリクルートホールディングスに入社。教育・進学情報関連の部署で新規事業開発を担当し、顧客の開拓方法やビジネスを大きくスケールさせるための鉄則などリクルートの流儀をたたき込まれた。

 ソフトバンクのリーダー育成講座「ソフトバンクアカデミア」にも通った。ロボットベンチャーのGROOVE X創業者の林要氏はこのソフトバンクアカデミアでの2期上の先輩だという。

図1 チトセロボティクス創業者で代表取締役社長の西田亮介氏

 その後、リクルートを退職して2015年に3度目の起業をし、事業売却に成功。2016年4月からは立命館大学大学院 博士後期課程に入り、ロボット分野での起業に向けて研究開発を開始。2年が経過して、企業との共同研究も進み、基盤技術も固まってきたことから、2018年3月に正式にチトセロボティクスを設立した。西田氏にとって4度目の起業となる。現在、従業員数は7名である。

 共同創業者で取締役の立花京氏は川村研究室時代の後輩。創業に先だって西田氏と立花氏は基盤技術を固めるべく、JST(科学技術振興機構)の「START技術シーズ選抜育成プロジェクト」に応募。2015年度のロボティクス分野の研究開発課題として採択され、その資金を元手に現在のチトセロボティクスの基盤となる技術を開発した。

 西田氏が徹底してこだわるのが、ビジネスのスケール性(伸びやすさ)だ。さまざまな顧客に共通して売れるソリューションを考え抜く。

 自社のビジュアルフィードバックなどの技術とロボットシステムをセットにし、企業に対してサブスクリプション(年間契約)形式で提供するサービス型の事業を狙う。システムインテグレーター(SIer)のように特定顧客向けにカスタムでシステムを作り上げる売り切り型の事業モデルとは真逆だ。

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