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 台風や豪雨の際に、ドローンで河川の状況を効率的に把握しようとする取り組みが進んでいる。群馬県で環境計測機器の販売や観測サービスを手掛けるタイプエスが、河川の流量観測にドローンを導入した(図1)。

 同社は2018年4月、新潟県小千谷市を流れる信濃川でドローンによる流量観測を実施。ドローンが自律飛行で川を横断し、上空から川の流れを計測した。

  ドローンに搭載したのは、小型の電波流速計。横河電機グループで防衛関連機器などを手掛ける横河電子機器が、ドローン向けに開発したものである。

 国土交通省の地方整備局などが管轄する一級河川は、全国に1万4000本以上もある。これら河川の流量観測は法令で義務付けられており、大雨で河川が増水した際に実施するものと、平常時に月1回程度実施するものの2種類ある。

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図1 ドローンで信濃川の流量を観測 
環境計測機器の販売などを手掛けるタイプエスは2018年4月、新潟県小千谷市の旭橋付近の信濃川の流速をドローンを使って計測した。横河電子機器がドローン向けに開発した電波流速計をドローンに搭載。川幅方向に飛行させ、上空から流速を計測した。(写真左:タイプエス、航空写真:Google、ZENRIN)

  今回は緊急度が高く、人が川に近づけないような災害時に実施する流量観測にドローンを適用した。水量の少ない平常時は危険が少ないため計測も容易だが、河川の氾濫の可能性がある災害時は危険が伴う上、多くの人手を要していた。

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