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 「現行製品の中では、非常に高い演算性能だ」─。米Tesla社が開発した新しい車載コンピュータ「FSD(full self-driving)」を、車載コンピュータに詳しい大手車載機器メーカーの技術者はこう評価する。

 FSDは、Tesla社が完全自動運転(レベル5)の必要条件とする演算性能144TOPSを達成したことが特徴である。72TOPSのニューラルネット用アクセラレータ(NNA)回路を備えたSoCを2つ搭載して実現した(図1)。このSoCは、Tesla社が自社で設計・開発し、初めて実用化したもの。NNA回路の演算性能は、動作周波数2GHz時で36TOPS。1チップ当たり2回路ある。このほかGPUコアやCPUコア、イメージ・シグナル・プロセッサ(ISP)回路などを搭載する。

図1 新しい車載コンピューターに自前のSoCを搭載
Tesla社は、144TOPSの車載コンピュータ「FSD」 (左上の写真)と、FSDに搭載した新しいSoCを発表した(左下の写真)。SoCは、72TOPSのニューラルネット用アクセラレータ(NNA)回路を備える。(写真:左上の写真はTesla社の公式Twitterから、左上の写真は公式サイトの動画から)
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