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 日本郵便は、ドローンを使った郵便局間の配送を2018年11月から福島県でスタートさせた(図1)。2019年3月までの期間限定ではあるが、片道約9kmの経路をドローンが1日2往復し、郵便局の業務で使う書類やパンフレット類などを輸送している。月に6日、平日に飛行させている。

 試験的な取り組みではあるものの、定期的な配送という業務利用が可能になったのは、ドローンの規制緩和があったからだ。

 国土交通省が2018年9月に「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要項」を改正(図2)。一定の条件を満たせば、飛行経路上にドローンを監視する補助者を置かずとも、「目視外飛行」が認められるようになった。10km近くの長距離でドローンを自律飛行させる環境がようやく整った形だ。日本郵便によるドローン配送はこの改正後、初めての事例である。

図1 ドローンが補助者の監視なしに目視外で飛行 
日本郵便は、2018年11月からドローンを使った郵便局間の配送を開始した。福島県南相馬市の「小高郵便局」と、同県双葉郡浪江町の「浪江郵便局」間の片道約9kmを、1日に最大2往復する。補助者を配置せずに目視外で自律飛行した。2018年9月の「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」改正後初めての事例。(写真:国土交通省)
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 政府は2020年以降に都市部などで第3者上空をドローンが飛行して荷物を配送する「レベル4」の実現を目指している。今回の規制緩和はこれに先立ち、まずは離島や山間部といった人の少ない地域で補助者なしで飛行する「レベル3」を実現した形だ。

本当の「目視外」が可能に

 オペレータが肉眼で機体を確認できる範囲よりも遠くでドローンを飛行させる「目視外飛行」そのものは従来も認められてきた。

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