今回は、無線LAN(Wi-Fi)の干渉について実験しよう。2.4GHz帯を利用する無線LANの干渉源の代表例として紹介されるのが電子レンジである。

 電子レンジと無線LANアクセスポイント(AP)の両方とも、現在では生活するうえでの必需品になっている。電子レンジとAPの両方を設置している家庭は多い。企業のオフィスでも、休憩スペースの片隅などに電子レンジを置いているだろう。電子レンジが発する電磁波は、どのくらい無線LANに影響を与えるのだろうか。筆者が勤務するオフィスの休憩ルームで、電子レンジを動かした際の通信速度の変化を測ってみた。

劇的に遅くなった

 まずは図1のグラフを見てほしい。実験の詳細は後述する。電子レンジを動かさない場合が「電子レンジOFF」、動かした場合の「電子レンジON」である。電子レンジを動かすと、無線LANの通信速度が大幅に低下していることがわかるだろう。

図1●電子レンジによる通信速度の低下
無線LANアクセスポイント(AP)の近くで電子レンジを動かした場合と動かしていない場合の通信速度の比較。電子レンジを動かすと大幅に通信速度が低下するのがわかる。
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 今回の実験では、電子レンジを設置している会社の休憩スペースにAPを持ち込んで実験を実施した(図2)。図2の奥に電子レンジ、その手前にAP▼がある。

図2●電子レンジの影響を調べる実験風景
東京都中野区東中野にある三井情報の休憩所での実験風景。電子レンジが置かれた休憩所にAPを持ち込んで実験した。AP:無線LANアクセスポイント
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 実験では2台のノートパソコン▼を使用した(図3)。LANケーブルでAPに接続したパソコンをPC 1、APと無線通信するパソコンをPC 2とした。PC 1は、レイヤー2スイッチを経由してLANケーブルでAPに接続し、APとPC 2は無線LANで接続。APからの電波には、電子レンジが発する電磁波と同じ2.4GHz帯のみを使用するようにした。

図3●電子レンジの影響を調べる実験のネットワーク構成
PC 1からPC 2にデータを送信。電子レンジの稼働の有無で通信速度がどのように変化するかを調べた。
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 この構成で、PC 1からPC 2へ900バイトのUDP▼パケットを50Mビット/秒で送信し、通信速度を計測した▼。

 電子レンジを稼働させない状態で通信してみたところ、PC 2で受信した通信速度は40M~50Mビット/秒(図1の「電子レンジOFF」)。PC 1からパケットを送信した速度とほぼ同じだった。

 次に、電子レンジを稼働させた状態で通信速度を測定した。すると、通信速度は20Mビット/秒程度まで低下した(図1の「電子レンジON」)。

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