筆者はユーザー企業から「端末が無線LANに接続できなくなった」といった相談を受けることがよくある。

 一口に接続できないといっても、その原因は「電波の感度が弱い」「パスワード(PSK)が間違っている」「デジタル証明書が一致していない」など様々だ。そのため、まずは調査をして原因を特定する必要がある。

 調査方法の1つが、アクセスポイント(AP)のログを調べること。ログからトラブルの原因を特定できることがある。

 とはいえ、いつもうまくいくわけではない。例えば、「ログでは端末やAPが無線LANのフレームを送信したことになっているが、実際には送り出していなかった」といった問題が発生しているケースだ。このようなケースでは、ログをいくら調べても原因は分からない。

パケットキャプチャーで調べる

 端末やAPといった無線LAN機器がフレームを正しく送信しているかどうかを確認するには、やりとりされているデータを取得し、調べるのが基本である。このことをパケットキャプチャーと呼ぶ。

 なお、有線LANで使われるイーサネットおよび無線LANにおいては、データは「フレーム」という単位で送られる。ただしフレームを取得することも、「パケットキャプチャー」と呼ぶのが一般的である。

 パケットキャプチャーの方法としてよく知られているのは、Windowsパソコンに「Wireshark」というソフトをインストールして使う方法だ。Wiresharkは、有線LANのトラブルシューティングでよく使われる。手軽に利用できて、操作も難しくない。

 だが、無線LANの場合にはそう簡単にはいかない。実際、「Wiresharkで無線LANのパケットキャプチャーを実施しようとしたが、うまくいかなかった」という経験がある人は少なくないだろう。また、「WindowsパソコンにWiresharkをインストールしただけでは、他の端末がやりとりしている無線LANのフレームをキャプチャーできない」という話を耳にしたことがある人もいるだろう。

Windowsは専用ツールが不可欠

 この話は正しい(図1)。では、無線LANで送られるフレームはどのようにキャプチャーすればよいのだろうか。ここでは、WindowsパソコンおよびmacOSパソコン(Mac)のそれぞれでキャプチャーする方法を紹介しよう。

図1●Wiresharkだけではキャプチャーできない
有線LANの場合とは異なり無線LANの場合には、WiresharkをインストールしたWindowsパソコンだけではパケットキャプチャーを実施できない。
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 どのWindowsパソコンでも、無線LANフレームをキャプチャーするには専用の周辺機器が必要だ。

 エンジニアがよく使っているのは、「AirPcap」という製品である(図2)。AirPcapは米リバーベッドテクノロジーが販売する、無線LANフレームをキャプチャーするための専用ハードウエア。WindowsパソコンにUSBで接続して使う。複数のモデルがあり、それぞれでキャプチャーできる周波数帯などが異なる。

図2●無線LANのフレームをキャプチャーする「AirPcap」
AirPcapは米リバーベッドテクノロジーが販売するツール。これを使えば、WiresharkをインストールしたWindowsパソコンで、無線LANのフレームをキャプチャーできるようになる。
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 なおAirPcapを購入する場合は、自分のパソコンで利用できるかどうかを購入前に確認することをお勧めする。パソコンの機種によっては、利用できない場合があるからだ。

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