無線LAN(Wi-Fi)の通信は、2.4GHz帯と5GHz帯の電波を使用する。このうち2.4GHz帯は、電子レンジやコードレス電話などでも利用されている。これらが無線LANの通信と干渉する場合があることは広く知られている。本連載でも以前、2.4GHz帯を使う電子レンジがWi-Fiの通信に与える影響を検証した。このような状況なので、無線LANでは5GHz帯を使用したほうがよい。

 とはいえ、5GHz帯も無線LAN専用というわけではない。実はレーダーも使用している。

 このことはあまり知られていないようだ。無線LANを初めて導入するという企業のシステム管理者などと話をすると、驚かれることがある。

 総務省が公開する「我が国の電波の使用状況」という文書によると、5.25G~5.85GHzを「気象レーダー」や「各種レーダー」も使用していることが分かる(図1)。

図1●日本における電波の使用状況
総務省が公開する「我が国の電波の使用状況(3400MHz~10000MHz)」(http://www.tele.soumu.go.jp/resource/search/myuse/use/10000m.pdf)を基に、4900MHz(4.9GHz)から6570MHz(6.57GHz)までの使用状況の一部をまとめた。
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 これらのレーダーの電波は、無線LAN機器の動作に影響を及ぼす。というのも、日本国内においては、無線LANで利用する5GHz帯の一部のチャネルでは、無線LANアクセスポイント(AP)が同じチャネルを使用するレーダーの電波を検知した場合、該当のチャネルを速やかに停波することが義務付けられているからだ。

 影響を受けるのは、52~64チャネルの「W53」と、100~140チャネル「W56」である。一見多くのチャネルがあるように思える5GHz帯だが、レーダーの影響を受けないのは「W52」(36~48チャネル)だけだ(図2)。

図2●無線LANで利用できる5GHz帯のチャネル
5GHz帯のW53(52~64チャネル)とW56(100~140チャネル)は、レーダーと同じ周波数を使用する。
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 レーダーの電波を検知して干渉を回避する機能は「DFS」と呼ばれ、5GHz帯のW53、W56に対応するすべてのAPに実装を義務付けられている。

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