都心のビルの屋上などには、数々のアンテナに交じって、無線LAN(Wi-Fi)用のアンテナが設置されていることがある。

 筆者が見る限りでは、屋上などに設置された無線LAN用アンテナは、特定の方向に向けて電波が飛ぶように設計された「指向性アンテナ」が多いようだ。指向性アンテナは、屋外で特定のエリアをカバーしたい場合などに利用する。

 一方、家庭やオフィスの無線LANアクセスポイント(AP)には、「無指向性アンテナ」が内蔵されていたり、外付けされていたりする。無指向性アンテナは、全方向に電波を送信するアンテナである。

 指向性アンテナと無指向性アンテナでは、カバーエリアはどの程度異なるのだろうか。指向性アンテナは、電波を絞って狙ったエリアに飛ばすことができるのだろうか。今回は、指向性アンテナについて実験で調べてみた。

電波の広がり方を測定

 実験では、指向性アンテナの一種であるパッチアンテナ「AIR-ANT2513P4M-N」と、無指向性アンテナの一種であるダイポールアンテナ「AIR-ANT2524DW-R」を使った。

 これらのアンテナを、APの「Aironet3802E」のアンテナ端子にそれぞれ接続して電波を飛ばした(図1)。2種類のアンテナおよびAPはいずれも米シスコシステムズの製品である。

図1●指向性アンテナと無指向性アンテナ
写真の右側が、無線LANアクセスポイント(AP)「Aironet3802E(外部アンテナモデル)」に接続された指向性アンテナ(パッチアンテナ)。左側が、APに接続された無指向性アンテナ(ダイポールアンテナ)。
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 ダイポールアンテナは、同心円状に電波を送信する。一般的なオフィスでも利用される。

 パッチアンテナの半値角は30度。多数のユーザーが想定されるスタジアムなどで利用される。

 まずは、それぞれのアンテナから送信された電波の広がり具合(絞り具合)を調べた(図2)。

図2●指向性/無指向性アンテナの電波の広がり方を測定
左が指向性アンテナ、右が無指向性アンテナの電波の広がり方。-55dBm以上の電波強度で受信できた範囲の色を変えている。
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 APが送信するビーコンを、米ネットスカウトの「AirMagnet」で受信し、電波の強度をマップ上に記録した。図では、-55dBm以上で受信した範囲を示した。実験の結果、指向性アンテナは限定された範囲に電波を送信していることが分かる。

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