3つめに紹介する便利機能がDFS障害回避だ。レーダー波を検出した際の通信断を回避する。無線LANアクセスポイント機能を持つブロードバンドルーター向けの機能である。

5GHz帯はレーダー波が優先

 無線LANで利用する電波には、大きく2.4GHz帯と5GHz帯の2種類がある。このうち2.4GHz帯は無線LANの最初の規格から使われている。電波が遠くまで届きやすく使いやすいというメリットがあるが、Bluetoothや電子レンジなどと電波が干渉し、通信速度が遅くなることがよくある。

 そこで最近は比較的空いていてより高速な通信が可能な5GHz帯を使うケースが増えている。だが、5GHz帯に何も問題がないわけではない。気象レーダーや空港のレーダーが5GHz帯を使っているのだ。

 公的インフラとして使っているレーダー波に一般の無線LANの電波が影響を与えたら一大事である。そこでレーダー波を邪魔しないような規定が設けられている。それがDFSだ。

 DFSではアクセスポイントが最初に使用するチャネルにおいて、レーダー波を検知しないかどうかを一定期間(60秒)以上調べてから利用するように規定している。さらに無線LANの利用中はレーダー波を常に監視し、検知した場合には即座にそのチャネルの利用を停止しなければならない図7)。

図7●レーダー波を検知すると通信を中断
アクセスポイント機能を持つブロードバンドルーター(無線LANルーター)はレーダー波との干渉を避けるDFSという機能を備えている。レーダー波を検知すると通信を中断。別のチャネルを60秒間スキャンして使っていないことを確認してから通信を再開する。
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 アクセスポイントは利用を停止すると同時に、代わりのチャネルを探す。だが、この際も最初と同じようにレーダー波を検知しないことを60秒以上確認してからでないと使えない。このため、無線LANを利用できない時間が最低でも60秒生じてしまう。工場や病院といった通信できない時間があると困る環境では問題となる。

待機用のチャネルを準備

 DFS障害回避機能では、レーダー波を検知したときに切り替える先のチャネルをあらかじめ準備しておく(図8)。

図8●DFS障害回避を使うとレーダー波を検知しても通信を継続できる
監視専用のアンテナを使って空いているチャネルを監視しておくことで、瞬時にチャネルを切り替える。
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 具体的にはアクセスポイント内に無線LANの通信を実現するハードウエアをもう1つ別に用意しておく。そのハードウエアを使って、実際に通信しているチャネルとは別のチャネルを監視し、レーダー波を検知しないことを常に確認する。言ってみれば、バックアップ用のアクセスポイントを内部に用意しておくようなものだ。

 こうすることで使用中のチャネルでレーダー波を検知した場合でも、バックアップとして待機している別のチャネルに即座に移動して通信を継続できる。新しいチャネルは60秒以上レーダー波がないことを確認済みなので、切り替えの際に待つ必要はない。

 DFS障害回避機能を備える製品の多くは、初期設定では同機能を無効にしている。利用したい場合には、設定画面で有効にする必要がある(図9)。

図9●DFS障害回避機能の設定画面
バッファローの「WAPM-2133TR」の例。設定画面から「DFS障害回避」機能を有効にできる。
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