まずはローカルブレークアウトを紹介する。この機能は、企業の支社などをWANやプロバイダーに接続するエッジルーターが提供する。簡単に言うと、クラウドサービスとの通信を、本社を経由せずにインターネットに直接送り出す機能である。

クラウド利用が回線を圧迫

 本社以外に支社などの拠点がある企業では、拠点からのすべての通信をWANなどを経由して本社やデータセンターにいったん集約することが多い(図2)。社内サーバー向けの通信は本社で処理し、インターネット向けの通信は本社が接続しているルーター経由で外部に送信する。

図2●クラウドサービスを利用すると大量のトラフィックが発生
クラウドサービスを利用すると大量の通信が発生するため、支店などの通信を本社に集約するネットワーク構成では、WANや本社のネットワークおよび機器に大きな負荷がかかる。
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 支社からの通信量が少なければ、こうしたネットワーク構成を採るメリットは大きい。ファイアウオールなどのポリシーを、支社も含めた全社で統一して適用できるからだ。支社ごとにインターネット回線を契約する必要もない。

 だが、支社とインターネットとの通信が増えてくると、こうした集中管理型のネットワーク構成ではデメリットのほうが大きくなる。本社と支社を接続するWANや、本社のインターネット接続回線を圧迫したり、プロキシーサーバーやファイアウオールといった機器の負荷が増大したりするからだ。

 特にOffice 365のようなクラウドサービスを利用し始めたときに問題が顕在化しやすい。クラウドサービスは、インターネット上の複数のサイトと多くのセッションを同時に張って大量のデータをやりとりする。このため、ネットワークや機器への負荷が増大する。

 場合によっては「インターネットのWebサイトが閲覧できない」「社内サーバーにアクセスできない」といった事態が発生し、業務に悪影響を及ぼす危険性もある。

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