ネット君 あれ?これはここに挿せばいいのかな?

インター博士 ネット君、何をした?急につながらなくなったぞ。

ネット君 え!?スイッチとスイッチをケーブルで接続した、つもり?ケーブルを手繰ってみたまえ。

インター博士 多分ループしてるぞ。

 多くの企業ネットワークでは、障害対応として冗長化を実施している。冗長化の方法としては、「サーバーや機器を複数配置する」「負荷分散装置を導入する」「冗長化のプロトコル(VRRP)を使う」などがある。

 「経路の冗長化」もその1つだ。経路の冗長化とは、経路が不通になった場合に備えて、別の経路を用意しておくことである。そのためには、経路をループ状にする必要がある。経路がループ状になっていれば、ある経路が障害などで使えなくなっても、「逆回り」で目的地にたどり着ける。ネットワーク経路の冗長化とは、「経路のループ化」と言い換えてもよい(図1)。

図1●経路を冗長化するとループになる
障害に備えて迂回路を作って冗長化すると、ネットワークの経路はループになる。
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 ただし、ループ化は良いことばかりではない。経路がループ状になると、ネットワークを流れるデータがループ状の経路を回り続ける恐れがあるからだ。

ネット君 冗長化のためにはループ化が必要だけど、ぐるぐる回っちゃうかもしれないから危ないってことかな?

インター博士 簡単に言えばそうだな。

フレームの嵐が発生

 経路の冗長化、特にレイヤー2スイッチ(スイッチングハブ)の冗長化で発生する問題が「ブロードキャストストーム」である。

 スイッチはブロードキャストフレームが届いた場合、それを受信したポート以外のポートすべてから送信する。これはフラッディングと呼ばれる。

 複数のスイッチがループ状につながっている場合、1台のスイッチが受信したブロードキャストフレームは、つながっている別のスイッチすべてに転送される(図2)。それを受信したスイッチも別のスイッチに転送する。これが繰り返される。ループ状になっているので最終的にブロードキャストフレームは最初のスイッチに戻ってきて、また転送される。

図2●ループがあるとブロードキャストストームが発生
ループがあるネットワークにブロードキャストフレームを送ると、スイッチ間で増幅され、ネットワークが使えなくなる。これがブロードキャストストームである。
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 以上を繰り返すことで、ブロードキャストフレームは膨大な数になる。これがブロードキャストストームである。

 ブロードキャストストームが発生すると、スイッチが接続しているネットワークの帯域をすべて使い切ってしまうので、通信不能になる。スイッチが過負荷状態になって正常に動作しなくなることもある。

ネット君 あー、さっきやったのはコレですね。

インター博士 ブロードキャストストームは誰でも1回はやってしまうものだ。対処法もちゃんとある。

 ブロードキャストストームを防ぐ最も簡単な方法は、手動で経路を切り替えること。平常時は冗長経路をつながないようにして、経路がループ状にならないようにする。障害が発生したら、冗長経路をつないで利用できるようにする。

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