複数の事業者がネットワークの構築に関わるケースは珍しくない。インターネット接続はA社に、社内ネットワークとクライアントパソコンはB社に、複合機はC社に、といった具合だ。その中には知識の乏しい担当者が作業する場合がある。今回のネットワークトラブルは、まさにそうした担当者によって引き起こされた。

 2017年10月18日、堂前克文さんに電話がかかってきた。「インターネットにつながらなくなった」。A薬局の責任者の声だった。

 堂前さんは、IT機器の販売やネットワークの構築などを手掛けるグランドプレーンの社長を務める。通常はネットワークの保守を請け負っていない。「ネットワークのトラブルはそうそう発生しません。連絡をもらったら、その都度作業するようにしています」と説明する。

 電話をかけてきたA薬局は、2016年に移転する際、堂前さんにネットワークの移築を依頼したところだった。A薬局にはネットワークの管理者はいない。堂前さんが責任者にヒアリングするとネットワークに問題がないということだったので、移転前の構成のまま新しい薬局にネットワークを移築した。

堂前さんが移築したA薬局のネットワーク構成
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 A薬局のネットワークは、主にレセプトによる医療費の請求をオンラインで実行するために使っている。レセプトとは、医療機関にかかった患者の医療費のうち、健康保険組合などから医療費を受け取るための明細書のことだ。医療費支払い機関のシステムにVPNで接続し、1カ月に1回、請求データを送信することになっている。

 A薬局内には、レセコンと呼ばれるレセプト請求の端末と医療費支払い機関のシステムをVPN接続するためのVPNルーターを設置している。レセコンとVPNルーターは、レセプト請求システム事業者が導入した。

 インターネットにはアクセス回線事業者が用意したONUとルーターを使って接続する。このルーターのLANポートにVPNルーターのWANポートをつないでいる。薬局内の端末にはVPNルーターのDHCPサーバー機能を利用して、IPアドレスを割り当てていた。またルーターには、電話機とファクスをつないでIP電話を利用していた。

 ノートパソコンやスマートフォン、プリンターは無線LAN経由でネットワークにアクセスする。そのため、VPNルーターには無線LANルーターをつないでいた。無線LANルーターは、アクセスポイント(AP)として使うため、ルーター機能をオフにしていた。

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